タブレットだけで完結しない、アナログと組み合わせた幼児向けICT教材
「KitS」には約15種類のiPadアプリを中心に、「創造力」「チームワーク力」「ICT活用力」を育むたくさんの教材が用意されている。iPad上だけでなく、紙の上でのお絵かきや工作、クラスのみんなの前で発表するプレゼンテーションなどを組み合わせたカリキュラムが特徴だ。
アプリの1つ「アートポン!」では、紙に描いた子どもたちの絵をiPadで撮影して取り込み、描いた生き物の絵が大きな画面上の水槽の中を動き回る。そして自分の作品についてそれぞれプレゼンテーションを行い、発表する力を身に付けたり、友だちの作品の良さを見つけたりすることができるというものだ。子どもたちは、タブレットがYouTubeやゲームのためだけではなく、「自分で作品をつくれる」道具であることに気づいていく。
今回、「KitS」が品川区立保育園での採用に至ったのは、平成30年度の「品川区社会貢献支援製品事業」に認定されたことがきっかけだ。この制度は区内の中小企業の優れた自社技術・製品・サービスで社会貢献に寄与しているものを、区や企業等への試供・導入などを積極的に行い、その先の販路拡大につなげることを目的としている。「KitS」も認定後、2019年2月から区立保育園・幼稚園向けに試験導入され、今年度から本格的に導入された。
懇談会の冒頭、同社の池谷氏は「幼児教育でICTを用いるとなると、視力の低下や電磁波の影響についての誤解に基づく不安があり、私立の幼稚園・保育園でも検討いただくことが難しかった。今回は制度への認定だけでなく、全区立保育園で導入いただき非常にありがたく思う」とあいさつした。