イギリスの公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルと東京外国語大学は、両者が共同開発した大学入試用英語スピーキングテスト「BCT-S」の導入から3年が経ったのを機に、全国の大学に向けて「BCT-S」の導入を推進していくことを、7月1日に発表した。
「BCT-S」は、ブリティッシュ・カウンシルが開発した英語力判定試験「Aptis(アプティス)」をもとに、大学の個別入試に最適化されており、日本の高校学習指導要領と整合性のある設問を実現している。受験者の成績は、得点だけでなくCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に対応して判定される。
英語スピーキング単体のテストなので、英語スピーキング利用型入試といった一部の選抜のみに導入することも可能で、リーディング、リスニング、ライティングのテストと比較すると、安定した運営や公平な採点システムの難易度が高い、スピーキングテストを単体で導入できる。
なお、東京外国語大学における、3年間の「BCT-S」運用では、3年連続で無事故であり、採点不能事例もゼロだった。また、評価システムの効率化によって5日目に結果を出すことが可能になるとともに、試験時間はわずか12分間なので、受験者と大学双方にとって利便性が高いことが明らかになっている。
2022年度入試からは、同大学のすべての学部で「BCT-S」の採用が決定しているほか、東京女子大学でも2021年度入試から「BCT-S」を導入した。さらに、2021年2月にはタブレット端末の使用によるテスト実施が開始され、より操作しやすく、便利で安全に利用できるようになっている。
ブリティッシュ・カウンシルと東京外国語大学は、より多くの大学が2023年度以降の入試で「BCT-S」導入の検討を進められるよう、大学向けののオンライン説明ウェビナーや、オープンキャンパスでの「BCT-S」オンライン体験会、ブリティッシュ・カウンシルの教員研修トレーナーによる「BCT-S」の無料対策講座の実施など、さまざまな推進活動を予定する。
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