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1人1台端末やオンライン授業、プロジェクター活用のお悩み――疑問にお答えします!

ゼロから始めてここまでできる! 公立高校でのICT教育実践 第10回

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2021/06/18 07:00

 本連載では公立高校の教員である筆者が、非モデル校においてゼロからICTを活用した授業に取り組んだ際の知見と事例を紹介します。今回は、読者の皆さまからお寄せいただいた質問にお答えします。

端末や動画・オンライン授業のお悩み

高校で教員をしている者です。ICTを使った授業をすることになり、端末選びをしているのですが、生徒が利用する端末はどのようなものがいいのでしょうか。オススメの端末はありますか?

 生徒が利用する端末は、学校がすでに準備していたものや、これから購入するのであれば値段がお手頃なものなど、さまざまな基準で選ばれていることでしょう。私の経験上、生徒が利用する端末で一番良い端末は、生徒自身が持っている端末です。生徒は自分のスマホやタブレットを毎日使用しています。それ故、操作にも慣れていることは間違いありません。学校が準備したものは、操作に慣れるまでに時間がかかりますし、さらに授業時間のみしか使えないものであれば、さらに時間が必要でしょう。授業を受ける前の障害はないに越したことはありません。

 BYOD(Bring Your Own Device)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。生徒の持っている端末を授業で利用する試みです。私自身も、5年前から実践していますが、操作への障害はなくスムーズに授業に集中できると感じています。当時は通信費の問題がネックになっていましたが、現在はGIGAスクール構想や新型コロナウイルスの影響によるネットワーク整備が進み、Wi-Fiが整備された学校も多いのではないでしょうか。

 各学校や教育委員会の判断にはなりますが、私はBYODを推し進める方向でいいのではないかと思います。

生徒に端末を与えて授業を行っていますが、ゲームやSNSを始めてしまいます。予防する方法があれば教えていただきたいです。

 この質問はよく聞きます。タブレットなどの端末を与えると遊んでしまうといった問題です。どこの学校でも起こり得ることではあります。もちろん私も経験があるので、お気持ちはよくわかります。

 これは、生徒と先生の人間関係と授業の構成によって回避できると考えています。ご質問にもあったように、ゲームを始めてしまったり、SNSを見はじめてしまったりする生徒はいます。その際、どのように注意するのかがポイントです。毎時間注意するのか、諦めて注意しないのか、そもそも見ないふりをするのか。私の経験で言えば、毎時間注意するが正解だと感じています。

 私の場合は、パワーポイントで授業をしているので、教卓にずっと立っていることはありません。授業中はほとんど生徒の様子を見ています。そうすると、授業に集中していない生徒がすぐわかるのです。見つけた際は、必ず声をかけます。1回の授業で何回も声をかけることもあります。根気強く促すことが大切です。

 また、授業の構成で防ぐこともできます。ゲームをしている余裕がないくらい緻密に授業を組み立てるか、もしくはグループワークにすることです。工夫次第で回避できる糸口が見つかると思うので、諦めずに試行錯誤してみてください。

授業の動画撮影やZoomなどを使用する際に気をつけることはありますか。

 動画撮影で特に気をつけるべき点は、動画の配信の仕方でしょう。授業をそのまま録画して配信する方法もありますし、テロップをつけるなど編集を加える方法もあるでしょう。問題は、その動画がインターネット上にアップロードされても大丈夫かどうかということです。

 YouTubeなどの動画配信サイトを利用して動画を視聴させたり、学校のネットワーク上で運用したりする場合もあるかもしれません。どちらの場合であっても、その授業動画がネット上にアップロードされることを意識する必要があります。「限定の公開だから大丈夫」「学校のネットワーク上だから安全」と思うかもしれませんが、今は動画の複製が簡単にできてしまいます。どんなときも、自分の授業動画が不特定多数の人の目に触れるかわからないという気持ちで動画を作成することをオススメします。

 Zoomなどを利用した双方向のやりとりでは、先生も生徒もカメラをオンにしていると思います。先生の姿はもちろん、生徒同士の状況も見えることがほとんどでしょう。生徒が授業を受けている場所は家でしょうか、カフェでしょうか。それはわかりませんが、瞳に映った景色の情報だけで、住所を特定したという話を聞いたことがあります。つまり、生徒が住所を公開していなくても、授業を受ける状況(背景など)でわかってしまうこともあるのです。オンライン授業のメリットも多いですが、デメリットもあるかもしれません。細心の注意を払って行うことが重要です。


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著者プロフィール

  • 浅見 和寿(アサミ カズトシ)

     国語科教員として、公立高校に11年間勤務。元・東京成徳大学非常勤講師。学事出版教育文化賞 優秀賞、旺文社 学びを変える!未来の「学参」企画大賞 敢闘賞等多数受賞。積極的にICT機器を活用し、効果的な授業方法、教員の働き方について研究している。

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