金沢工業大学工学部情報工学科の河並崇准教授の研究室と、DMM.com、FAPの3者は、2019年度から共同で進めている「未来トップクリエーターの養成を目指すSTEAM教育に関する研究と教材の開発」において、2020年度は「教育用ドローンを用いた教材開発」と「VRゲームコントローラーを題材としたプログラミング教材の開発」を行った。
「教育用ドローンを用いた教材開発」では、ドローンによるスマート農業を目指して圃場の自動見守りがテーマとなる。具体的には、ドローンの飛行コースの設定、ドローンのフィールド基地の開発、ドローンの帰還方法の策定、気象監視、画像処理による熊の検知などを題材とした教材のプラットフォームを開発している。同プラットフォームをベースに、今後具体的な教材開発を行っていく。
2月21日に開催された金沢市主催の「金沢市キッズプログラミングスクール」では、同教材のうち「ドローンの飛行コースの設定」部分を切り出して、小学生向けにドローンの専用コントローラをプログラミングによって開発できる教材として公開し、小学生が体験した。
専用コントローラには教育用コンピュータ「micro:bit」を使用し、金沢工業大学で開発したオリジナル命令(ブロックプログラミング用のブロック)を用いている。容易な開発を可能にしており、今後は同教材を活用したドローンコンテストの開催も考えている。
「VRゲームコントローラーを題材としたプログラミング教材の開発」では、VRの注目度は高いもののプログラミング初学者には敷居が高いことから、「micro:bit」をVRコントローラとして使用し、VRコントローラを自らプログラミングすることでゲームを進められる仕組みを考案した。
VRゲームには、金沢工業大学オリジナルの弓による的宛てゲームを取り上げ、開始時は弓をつがえることもできないが、チュートリアルを進めることで「弓をつがえる→弓を放つ→弓の強さを変える」といったコントローラの改良を行うストーリーとなっている。最終的には、「micro:bit」間の電波強度を用いて、実際の弓のように引く量によって強さが変わる。今後は、DMM VR labが提供するDMM VR Connectを用いた開発を予定している。
これらの研究成果は、3月18日・19日に行われる「情報処理学会第83回全国大会」でも発表される。
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