アドビとインテルは共同で3月1日、高校生の創造性の育成と発揮を支援する「メディアラボ」を東京都立三鷹中等教育学校(公立中高一貫校)に開設し、実証研究を開始した。
このメディアラボでは、動画制作ソフトなどのクリエイティブツールを実行しやすい環境が整っており、インテルはマウスコンピューター製のクリエイター向けPC「DAIV Z7」(第10世代の「Intel Core i7-10700K」プロセッサー搭載)8台や、4Kに対応したiiyama製の液晶ディスプレイなどを提供した。一方アドビは、プロも使用する映像編集ツール「Adobe Premiere Pro」を含む「Creative Cloudユーザー指定ライセンス」を提供している。
今回の実証研究は、高水準のクリエイティブ制作環境を備えた「メディアラボ」が高校生の創造性育成に対して有効であることを示すモデルケースを作り、全国の高校のPC教室の環境が、時代のニーズに合ったものへアップデートされるように啓発することを目的としている。
対象校の東京都立三鷹中等教育学校では、すでに生徒1人に対し1台のPCが配布され、CM模倣動画を作る活動を授業に取り入れるなどして、情報教育に力を入れている。一方で、配布されたPCの画面が小さく、クリエイティブツールを使うには十分な環境ではない、という課題を抱えていた。
先行してアドビの講師によるワークショップも複数回実施され、生徒は実際に動画編集ソフトを利用しながら、動画制作の基礎やプロのクリエイターも活用しているスキルなどを学んだ。参加した生徒からは、「普段娯楽として動画をみるだけだったが、その裏側で大変な努力があると知った」「動画編集は独学で少し学んでいたが、普段使っているPCとは異なり使いやすく、自分の表現したいことを形にできた」という感想が得られたという。
アドビのデジタライゼーションマーケティング 本部長 小池晴子氏は、今回の施策について次のように述べている。
「現在、高校生の1人1台PC端末の政策や議論が活発化していますが、その影で学校のPC教室を時代のニーズに合わせてどのようにアップデートすべきかという方針がみえない状態です。これからの社会で創造的問題解決能力を発揮していきいきと活躍できる人材となるためには、高校段階では今回のメディアラボのような創造的な活動をささえる環境がとても重要です。アドビは今後も、高校におけるデジタルクリエイティブ教育の必要性を発信してまいります」
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