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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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EdTechZineオンラインセミナー

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教育現場でのICT活用事例紹介(高等学校・高等専門学校)(AD)

高校生から本物のテクノロジーに触れ、卒業後の進路にもつながる学びとは? シスコ提供の教育プログラム

次世代IT人材育成プログラム「シスコ ネットワーキング アカデミー」導入事例

理論から演習、さらに本物同然のシミュレーションで実践的に学ぶ

 具体的な授業の進め方として、オンラインで学習できる入門コースの「サイバーセキュリティ入門」「IoT/DX入門」では、理論主体の授業方式で教員が解説を行い、その上で問題を解くなどの個別学習を行っている。そして、キャリアコースの「CCNA」については高度な内容ということもあり、寺島先生が自作した指導書を使って解説し、実践課題に取り組む方法をとっている。

 「教材の信頼性や先進的な内容の担保はもちろん、入門コースでは自分のペースで主体的に学べることや、その進捗状況をLMSで把握しやすいことなど、オンラインを活用した授業のメリットを十分に享受できています。また、キャリアコースについてはかなり実践的で、実際に手を動かしてシミュレーションができるのも本当にいいですね。各コース内に用意されている『Packet Tracer(パケットトレーサー)』を用いた演習課題は、数百万円という大掛かりな実機投資を行う必要がなく、本物同然のシミュレーションが可能で、生徒にテクノロジーを活用する実感を体験させることができます」(寺島先生)

生徒からも「リアルでわかりやすい」と好評のシミュレーター「Packet Tracer」
生徒からも「リアルでわかりやすい」と好評のシミュレーター「Packet Tracer」

 教材から問題演習、さらにはリアルなシミュレーションツールまで、すべて無料で活用できるのは、都立高校としても導入しやすさにつながったという。ただしキャリアコースの導入には、インストラクター認定を所持する教員が必要であるため、寺島先生自身が研修(注:当時有償、町田工業高校の場合は学校が費用を負担)を受講し、理論から実践まで網羅的に学び、資格を取得した。

 「私自身とても勉強になり、体系的かつ実践的に学べたのはいい機会でした。最後の試験はさすがに緊張しましたね(笑)。しかし、教員がスキルを持っているからこそ自信を持って教えられるし、自ら学んで実践する姿勢を見せることで生徒に良い影響を与えられる。『勉強してテクノロジーを身につけたらこういうことができるんだ』という1つのロールモデルを見せることもできます」(寺島先生)

 理論だけでなく、演習やリアルなシミュレーションを通じてネットワークのテクノロジーの面白さが伝わることで、生徒にも変化が生まれてきたという。授業中の態度はもちろん、進学・就職先にネットワーク関連を選ぶ生徒も増えてきた。

 「ネットワークはインフラとしてあって当然のものなので、なかなか意識する機会が少ないんです。しかし、授業を通じて『誰かがテクノロジーで支えている』ということに気づき、『自分もなりたい』『社会に役立てる』とイメージできる。言わばユーザーから、支える側としてのエンジニアになれることに目覚めるということです。それが学びのモチベーションにつながっていることは間違いないと思います」(寺島先生)

基礎的なIT知識が、将来の学びや仕事でのアドバンテージを生み出す

 町田工業高校では、「ネットワーキング アカデミー」ともう1つ、シスコシステムズが提供する「デジタルスクール ネットワーク」も2019年より導入している。「デジタルスクール ネットワーク」とは、教育者と学習者を安全なネットワークとコラボレーション空間でつなぎ、遠隔授業や学生間交流、教員同士のコミュニティなどの提供を可能とするデジタルラーニングプラットフォームだ。

 導入にあたり、寺島先生は「実社会で活躍している方や全国各地の他校の生徒など、さまざまな人々と交流し、その価値観や考え方に触れることで、生徒の視野を広げる機会を提供できるのではないかと考えました。また自分たちが学んでいるテクノロジーが社会でどのように使われているかを知ることで、今後エンジニアとなる上での目的意識につながると思ったんです」と目的を語る。

 実際、コロナ禍の影響もありここ1年で遠隔授業は一般化したが、2019年時点ではまだ珍しく、接続先のシスコシステムズのエンジニアや北海道・沖縄の高校の生徒との交流、乃木坂46の生田絵梨花さんよりメッセージをもらう機会などもあり、生徒へのインパクトも大きく、大いに刺激を与えたという。

 「以前は、校外学習としてIBMさんやシスコさんのオフィスに伺って仕事の現場を拝見できたのですが、コロナ禍によって難しくなり残念に思っていました。必ずしもリアルな体験と同じとは言えなくても、『デジタルスクール ネットワーク』によってオンラインでシスコのエンジニアの皆さんと交流ができたことは、生徒にとって大変貴重な体験になったと思います。デジタルネイティブ世代だけあって、むしろ対面ではありえないほど積極的に発言していたのが印象的でした」(寺島先生)

「デジタルスクール ネットワーク」での交流授業の様子(2019年撮影) 「デジタルスクール ネットワーク」での交流授業の様子(2019年撮影)
「デジタルスクール ネットワーク」での交流授業の様子(2019年撮影)

 ほかにも、「Microsoft Teams」を使った情報共有や課題配布、「Cisco Webex」での授業のライブ配信など、同校はさまざまなオンライン活用にも柔軟に対応してきた。以前からそうした取り組みを進め、蓄積してきたことで、コロナ禍で登校が危うくなっても学びを止めずに継続できたのだ。

 「生徒たちの適応力はすばらしく、IDとパスワードを教えれば、あとは自主的にツールを使いこなしていきます。特に3年次の課題研究は複数名での協働が必須で、ツールの使い方はさらにパワーアップし、生徒が使いたいように使っています。どうしても教員は頭でっかちになって『やってもいいこと』をルール化して限定しがちです。しかし、モラルや法律の遵守など『やってはダメなこと』を守らせて、あとは自由に使わせたほうが生徒は成長すると感じています」(寺島先生)

 その結果、生徒の知識が先生を超えることもままあり、一部ではそれを問題視する声もあるというが、寺島先生は「先生より生徒が知っていることがあったり、使いこなせるようになったりすること自体は問題ではないのです。先生が準備に手間取って学ぶ機会を先延ばしにするよりも、まずは取り組みをスタートさせることのほうが重要でしょう」と語り、新しいツールや教材の導入に慎重になりすぎることに懸念を示した。そして、生徒たちが自由にツールを扱うためには、使い方以上にサイバーセキュリティやモラルといったリテラシーをしっかりと学ばせておく必要があると話す。

 「これからの時代、どの業界でもネットワークなどのデジタル技術が必要となることは明らかであり、その基礎的な学びが就職や進学において大きなアドバンテージとなることは間違いありません。ですから、専門分野に進む本校の生徒だけでなく、あらゆる高校の生徒にとってITリテラシーを学んでおくことは重要だと思います。その意味でも、『ネットワーキング アカデミー』や『デジタルスクール ネットワーク』は大変効果的でしょう」(寺島先生)

 一部のキャリアコースについては「高校生向けのもう少し易しいコースがあっても?」と要望しながらも、資格を取った教員によるフォローがあれば十分についていけることも実証済みだという。「ネットワーキング アカデミー」や「デジタルスクール ネットワーク」について興味のある方は、ぜひシスコシステムズへ問い合わせてみてほしい。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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