日本の教育現場に求められるAI人材像
アカデミックトラックでは、SAS Japan アカデミア推進室 アカデミック・プログラム・マネージャーの竹村尚大氏が「アナリティクスの学びが拓く未来」と題し、SAS Japanの教育支援における取り組みを紹介した。
コンピュータで高度な統計分析を行うためのパッケージソフトとして生まれたSAS(サス)は、社会における「データ」の重要性と価値の増大に合わせ、データからインテリジェンス(知見)を導き出すためのアナリティクスプラットフォームとして急速に進化を遂げてきた。SASでは「データがあふれる世界を、インテリジェンスに満たされる世界に変える」というビジョンを掲げており、同時に「世界を変える」ために不可欠な要素として、世界規模で教育活動への支援に力を入れている。
特に日本では、数理、データサイエンス、AIに関する基礎的能力を備えた人材の育成が、政府によるICT戦略の主要テーマに位置付けられており、初等から高等までのあらゆる教育機関において、環境整備、カリキュラムの拡充といった、大規模な取り組みが進められている(文部科学省「AI戦略等を踏まえたAI人材の育成について」)。
「データサイエンスやAIの教育に、これほど大規模な取り組みが必要なのかという意見もあるが、結論を言えば『Yes』だ。AIやアナリティクスの実用化にあたっては、そのライフサイクルの中で、さまざまな知見を持つ人材のコラボレーションが不可欠となる。すべての人が専門的なスキルを持たなくてもよいが、それぞれの立場からライフサイクルの全体像をイメージできることが求められる。今、日本の教育現場に求められるのは、そうした全体像を捉えられる人材の育成だ」(竹村氏)