コドモンは、こども施設向けICTシステム「コドモン」を利用している全国の認可保育所・認定こども園・家庭的保育事業・企業主導型保育園・認可外保育園を対象に実施した、監査(立入調査)におけるデジタル化状況についての調査結果を、11月17日に発表した。
同調査は、10月26日~11月5日の期間に行われ、202件の回答を得ている。
調査対象の施設に、監査を受ける際に必要書類の提示ではなく、ICTシステムの画面確認での監査(デジタル監査)を希望するかを尋ねたところ、95.6%の施設がデジタル監査を希望していることがわかった。
すべてをデジタル監査にしてほしいと望む施設からは「保育システムだけで帳票類を管理したい。ペーパレス化をより進めたい」「現時点であれば、コロナ感染が不安。その後も、デジタルの方が、時間短縮でき、作業の効率化がみこめるから」といった意見があった。一部をデジタル監査にしてほしいと望む施設からは、「現在、押印が必要なものなど紙での管理になっているため、どうしても全部デジタルというわけにはいかないので」「一部説明が困難な部分があるので」といった意見が寄せられている。
書類提示ではなく、「コドモン」の画面確認で監査を受けたことがあるかを尋ねた質問では、37.6%の施設が「コドモン」の画面確認で監査を受けたことがあると回答した。
デジタル監査(「コドモン」の画面確認)を受けたきっかけとしては、「施設側から監査担当者に対しデジタル監査を打診したらOKが出た」が50.0%に達している。
デジタル監査が可能となった時期としては、直近3年間という回答が86.8%を占めた。
デジタル監査を受けたのは部分的か、すべてかを尋ねたところ、すべてをデジタル監査で行ったという回答は18.4%に留まっている。
デジタル監査を紙での監査と比較して、よかった点としては「これまでは狭い事務室に大量の紙資料を運び込んでいたので、事前準備や片付けが大変だったのが1台iPadを用意すればよかったので楽でした」「当日の提示がより早く行える点」などが挙がった。
一方、困った点としては「監査官の閲覧用にタブレットを用意していたが、タブレットに不慣れな監査官はマンツーマンでつきっきりになった。結局、コロナで時間短縮する予定だったが、いつもより監査時間がかかってしまった」「大人数で見てもらうときの不便さ」といった意見が寄せられている。
どのような状況になったら、デジタル監査が実現できると思うかを尋ねた質問では、「行政機関がデジタル監査に積極的になる必要がある。現状だと、市の福祉課の担当者などにも、いちから説明しないといけない。また電子画面での確認でよいという徹底が行政側でされること。『ご説明はわかりましたが、監査要件なので印字してください』と言われる」「保育業界全体のICTの普及」「コロナの終息が見通せない状況を踏まえ、関係団体の意識改革及びIT技術のさらなる進歩」などの回答が寄せられた。
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