BenQから2019年夏に発売されて以降、子どもの目を守る「ファーストモニター」として話題になっている「GW2480T」。ノートパソコンやタブレットをお持ちのご家庭では、外部機器に接続することなく利用していることが多いだろう。しかし、「外部モニターを使うことでさまざまなメリットも生まれる」と平井氏は話す。
ICTは子どもたちの学びを変えるためのツール
――平井さんは教育コンサルタントとして、全国各地でICT教育やプログラミング教育など、授業改革のサポートをしていらっしゃいますが、改めてそのきっかけを教えていただけますでしょうか。
ICT教育のスタートは、茨城県で公立小学校の校長になった際に「学校の子どもたちの学びを変えたい」というところから始まりました。先生が一方的に話をする教員主導の学習から変えていくのが大きな狙いで、そのためのツールとしてICT機器の活用を切り口にしたいと思い、整備を始めました。授業と学びの改善がそもそもの原点だったので、そのためにはどういったものが必要なのか、「目指す学びのための環境整備」を行ってきました。
――コロナ禍の現在もオンライン授業やセミナーなどでご活躍されていますが、同時に自治体などのサポートも行っていらっしゃるのですね。
GIGAスクール構想とコロナ禍が同時に来たため、GIGAスクール構想で整備する予定だった部分に加えて、新型コロナウイルス対策としてさらに汎用性の高い対応が求められています。現在はその両方が混在しているので、この状況下でどうやって整備していくか、学校と家庭で対応できる整備のパターンはどんなものがあるのかを自治体と一緒に実情や学校種別に合わせて考えるお手伝いもしています。
家庭では子どもの人数分の端末と通信環境をそろえてほしい
――平井さんの感触として、現在、子どものいるご家庭はオンライン授業などのICT活用に興味を持って取り組まれている印象はありますか?
学校や自治体よりも、ご家庭のほうがICT活用には積極的ですね。不安だからというよりも、保護者がリモートワークをしていることもあり、「なぜ学校ではできないのか」といった感覚をお持ちのようです。地域によって異なる点もありますが、「勉強ができる」「できない」の問題が顕著になったことで、保護者の意識も変わってきているのではないでしょうか。
――家庭ではICT教育のために何を用意すればいいでしょうか。
家庭でICTを使った学習を行う場合に最低限何が必要かといえば、「カメラ付きのパソコンかタブレット」「インターネットに接続できる通信環境」です。さらに、兄弟がいる場合は「子どもの人数分の端末が用意できるのか」「昼間に子どもが使えるのか」といったことも大切です。
――端末としては、携帯できるタブレットや小型のパソコンが中心になると思われますか?
子どもが使うことを踏まえて、画面サイズが10インチから12インチのコンパクトなものが主流ですが、少し画面が小さいですね。そうなると、大きな画面に映せる外部モニターがあると便利です。
オンライン授業ではサブモニターが便利
――外部モニターを使った場合、オンライン授業や動画で学ぶシーンなどで、どのような活用方法があるでしょうか。
さまざまな使い方が考えられますね。双方向の授業でも解説動画の配信で、スマホなどの小さい画面では見づらい画面も、外部モニターの大きな画面があれば格段に見やすくなります。また、テレビで視聴することを前提にしている「NHK for School」などの映像教材や、Webブラウザでいろいろな情報を見るときも同様です。
さらに、端末に外部モニターを接続することによって、簡単に2画面のサブモニターとして使えます。オンライン授業でも、途中でアンケートをとったり調べものをしたりする際はWebブラウザを使いますが、端末だけだと画面を切り替えなければいけない。そんなときに、サブモニターとして大きい画面があると便利ですし、活用が広がります。
――これまで学校に任せていた学習を家で分担することはしばらく続くでしょうか。
と言いますか、すでに学び方が変わっています。子どもたちは、いろいろな学び方があり、自分たちで自由に学べることに気づいています。
ですから、子どもが自分から学ぼうとした際に、それをサポートするツールとして、端末だけでなく、大きな画面を用意するなど、家の中で学びやすい環境を作ってあげることは大事だと思います。
――授業者として、子ども側の画面が大きくなる環境が整えば、オンライン授業での見せ方も変わってきますか?
それは変わりますね。単純な情報量が増えますから。また先ほどお伝えした通り、オンラインでの家庭学習の場合は「もう1つの画面がある」こともメリットです。外部モニターの導入には、「単純な画面の大きさ」と「ツインモニター」の2つの良さがあるということです。
たとえば、大人はパソコン上で、複数のウィンドウを立ち上げて仕事をしていますよね。複数の情報を関連付けながら整理して加工して、いろいろなものをアウトプットしています。その多くの情報を扱うことこそが、マルチメディアです。そういったことも、これからの子どもたちの学びの中で出てくるのではないかと期待しています。
――なるほど。情報活用能力にダイレクトにつながっていき、その効果も期待できるのですね。
そうですね。大人の仕事の環境を、子どもたちに提供できる。子どもだましではなく、大人と同じリアルなものを使わせることで、伸びる力もあるのではと思います。
子どもの体格に合わせて高さが調整ができるモニター
――平井さんはモニターをたくさんお持ちですが、今回アイケアモニター「GW2480T」を使ってみていかがでしたか。
自宅には「GW2480T」を含めて4台のモニターがありますが、もうこれらのモニターがないと無理ですね。オンライン授業をやる上でも重宝しています。
「GW2480T」はサブモニターとして使っていますが、簡単に高さや角度を調整できるので、さまざまな場所で使いやすい。特に、高さ調整の幅が広い点がとてもいいなと思っています。
家庭によっては1台のモニターを何人かで使い回すこともありますよね。兄弟で使う場合、一人ひとりの身長や体格に合わせて細かい調整ができるのは、姿勢良く使うための大事なポイントだと思います。
――今後、家庭での学習の時間が増えると、姿勢は気になりますよね。目の疲れはいかがでしょうか。
やはりきれいに見えるだけでなく、私は年齢もあって目の疲れが気になるので、こうしたフリッカーフリーなどのアイケアに焦点を当てているモニターは長時間使っても疲れにくく助かります。
それから、「カラーユニバーサルモード」はほかのモニターではあまり見ない機能ですね。いろいろなメニューを触っていて見つけたのですが、色覚に特性のある子に向けたモードなんですね。これは必要な子どもにとっては、本当に大事な機能だと思います。
テクノロジーを使いこなして自分好みに調整する
――モニターの輝度や明るさの調整はいかがでしたか。
輝度自動調整はオンにしておけば、自動で輝度を合わせてくれるので楽でした。家の中でも、昼夜でかなり明るさが違いますから。子どもが使う場合もオンのままが便利そうです。もしくは、最初だけ親が一緒に調整してやり方を覚えれば、子どもは勝手に調整します。無理に画面に合わせようとするのでなく、画面を自分に合わせようというのも、テクノロジーを使いこなす力です。欲を言えば、子ども向けの調整マニュアルが製品に付属しているか、BenQのWebサイトで見られるといいなと思いました。
――タブレットなどの画面を直接見ているときと比較して、長時間使用した違いはいかがでしょうか。
画面サイズは23.8インチなので、一般的なタブレットよりずっと大きく見やすいです。また細かく調整できる点もすごくいいです。タブレットの場合は目との距離がかなり近いこともありますし、画面の設定も明暗だけですから、部屋の明るさや状況によって柔軟に変えられることは便利だと思います。
アイケア機能として、輝度調整からブルーライト軽減、フリッカーフリーまで調整できるので、最初にどれが自分にとって負担がないか、いろいろと試してみました。設定メニューは、インターフェースとしてはわかりやすかったですが、最初はボタンの位置にちょっと迷いましたね。それさえ慣れれば、あとは感覚的に理解して操作ができました。
また、縦に90度回転できるピボット(画面回転)もいいですね。画面を縦にするとA4、B4をフルサイズで使えるから事務処理用にも便利です。2つ並べてセカンドとサードのディスプレイにしてみたいですね。子どもにとってもスキャンしたプリントを見るときなどに使えるでしょう。教室に置いて、サイネージとして使う方法もあるのかなと思いました。
――今お聞きしただけでも、かなり活用方法がありますね。特に、サブモニターとしての使い方が面白いと思いました。
使う人に合わせてカスタマイズできるのが、「GW2480T」の最大の長所だと思います。画面の明るさやブルーライト軽減だけでなく、画面の位置を変えるなどしてどこにでも置くことができ、また子ども一人ひとりに合わせられます。画面の縦横を変えられるピボットも、この価格帯ではなかなかないですね。
昼は、子どもたちがオンラインで勉強して、夜は帰ってきたお父さんが仕事に使えますし、休校期間が終わっても、今度は日中にお母さんが使うことができるので、家族そろって活用できそう。居間に1台、あるいは勉強部屋に置くのも良さそうです。
――ありがとうございました。
おわりに
BenQのアイケアモニター「GW2480T」は、スマホやタブレット、画面の小さいノートパソコンを使う際に、大きく画面を表示することができ、オンライン授業や動画による学習などで非常に効果を発揮する。また、サブモニターとして使うことで、Webブラウザなどで調べものをしながら学習に臨むこともできる。
さらに、長時間使う際には輝度自動調整や、ちらつきを抑えるフリッカーフリー、ブルーライト軽減などのアイケア機能も保護者として安心だ。高さ調整によって子どもの成長に合わせて使え、兄弟ごとに簡単にベストの高さと角度に変えられる点も、大きなアドバンテージと言える。
家庭学習の時間が増えているこの機会に、学びを助けるツールの1つとして、導入してみるのもいいだろう。
子どもの健康を見守る、目に優しいマイファーストモニター「GW2480T」
- ベンキュージャパン
- 「GW2480T」製品ページ
- 価格:オープン価格