国立情報学研究所(NII)は、遠隔授業を主催する教員に向けて「データダイエットへの協力のお願い」という提言を、5月7日に発表した。
この提言は、遠隔教育やオンライン授業によって通信量が情報通信回線の限界を超えることを危惧し、「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム実行委員会」のメンバーと、専門家有志によって作成された。「情報通信回線は全国民が共有する有限の資源」とし、1600万人の生徒・学生が、この世界的な災禍の中でも十分な学習ができるように、以下2点について配慮してほしいと訴えている。
- オンライン授業は通信量(データ量)が極力小さくなるように工夫しましょう。
- 空いた通信回線の容量は、小学校低学年などFace-to-Faceが必要となる教育や障がい者への合理的配慮など必須の分野へ使ってもらいましょう。
具体的な「通信量に配慮した授業の実施・設計手法」としては、教員が話す映像を送信する必要はなく、学生を含め、不要なカメラをオフにすることを推奨している。
また、「画面共有による資料提供中心の授業は通信量が大幅に少なくなる」こと、「教員が黒板の前で動き回る授業はデータ量が非常に増える」ことを説明。「授業のすべての部分をライブで行う必要はない」とし、「教員と学生との双方向のやり取りを行う(ライブ)部分」「教員からの一方向の情報伝達の部分」「学生が問題を解くなどの主体的な学びを行う部分」の3つに分けて設計して、双方向のやり取りを行う部分を短くすることを提案している。
その中でも「教員からの一方向の情報伝達の部分」は事前に録画し、ネットワークが空いている時間帯にダウンロードさせることを薦めている。「学生が問題を解くなどの主体的な学びを行う部分」についてはネットワークにつなぐ必要もないと提言している。
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