イーオンは、報道関係者向けに発行している「AEON NEWSLETTER」の、2020年2月発行のVol. 13において、同社の「新事業方針2020」を発表した。
同社は、「新事業方針2020」を「『教室価値』×『EdTech』のハイブリッドにより、イーオンにしかできない学習価値を創造、提供していくこと。」と定めている。
野村総合研究所が行った調査によれば、公教育における情報端末の整備が進む2020年前後にかけて、おもに児童・生徒向けの教科学習コンテンツが市場を先導し、2023年にはEdTech市場全体で約3000億円に達することが見込まれる。
文部科学省では、EdTechを「教育におけるAI、ビッグデータ等の様々な新しいテクノロジーを活用したあらゆる取組」と整理し、「児童生徒と教師にとって使いやすく、教育の質の向上につながるものでなければならない」としている。
海外では、アメリカと中国においてEdTechが盛んになっている。中国では、EdTechスタートアップへの投資額がアメリカを抜き、将来的に20.3億ドル(約2030億円)に達すると言われてるほか、政府は長年にわたって教育のICT化に取り組んでおり、その予算は教育予算の8%にあたる4兆円を超える。
一方、アメリカでは学費の高騰による教育格差の拡大を背景に、オバマ政権時代にEdTech普及に向けて積極的な政策が展開され、テクノロジーで学生たちに学習機会を提供し、格差を埋めて全体を底上げしようという動きが数多く見られる。
こうした中で、イーオンはEdTechを推進し、ビッグデータとアナリティクス技術の活用による「生徒の上達に向けた学習効率の最大化」「英語学習を快適に行える場の提供」を目指すプロジェクト「イーオンデジタルトランスフォーメーション AEON DX」を進めている。
同プロジェクトでは、AIが学習者の学習履歴に基づいて問題を個別最適化することで、学習者それぞれの苦手な文法項目に絞った学習を実現するeラーニングシステム「AI Study Design ~Grammar編~」を導入するとともに、生徒が自宅のパソコンやスマートフォンでレッスンに沿った発音を自習できる、AIを用いた「日本人英語話者向け発音自動評価システム」を共同開発した。
さらに、スマートフォンアプリでの学習履歴や、レッスンへの出席率と受講状況、自宅学習状況などをデータベース化し、データの分析結果を教員専用のタブレット端末向けアプリ「AEON NOTE」で共有することで、生徒へのきめ細やかなサポートを実現するほか、モチベーション低下の兆候や学習のつまづきなどをいち早く把握し、新人の教員でもベテラン教員と同様のサポートを可能にしている。
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