学校非公式サイト・ネットいじめ対策コンサルティングサービス「スクールガーディアン」
「スクールガーディアン」は、企業向け投稿監視やアプリのカスタマーサポート等を提供するアディッシュ株式会社が、2007年より学校・自治体向けに提供開始。
学校非公式サイトやインターネット上での個人情報流出とネットいじめの早期発見・対策を行う「ネットパトロール」のほか、いじめ匿名連絡サイト「スクールサイン」、SNSを用いたいじめの相談・通報体制構築を支援する「SNS相談・通報サービス」でトラブルに対応している。
また、ICT機器を活用した授業の支援プログラムや、ソーシャルメディアポリシーの策定と入試広報・マーケティングのための学校評判調査といった支援、ネットリテラシー講座で、学校におけるICTとインターネットの活用をトータルサポートしている。
教材として4年前よりタブレットPCを導入したが、不安も……
2019年に創立130周年を迎えた日本大学。同大学には全国に26の付属高校・中学校がある。そのひとつが、東急東横線日吉駅から徒歩約12分の場所にある日本大学高等学校・中学校(神奈川県横浜市港北区)である。校訓に「情熱と真心」、教育目標に「自覚と責任」を掲げて教育活動を展開し、社会に貢献できる有為な人財の育成を目指している。
同校は私立学校ということもあり、神奈川県内および東京都から多くの生徒が電車などを利用して通学している。そのため近年の社会情勢を鑑み「登下校時の安全」という観点から、5年前からスマートフォンの使用のルール・マナーを守ることを理解させた上で、校内への持ち込みを許可している。そして4年前より、「主体的で対話的で深い学び」「協働する学び」を実現し、「確かな学力」を身につけるためのICT教育を推進する目的で、教材としてタブレットPCの導入を決めたという。
「導入当初は、黒板を使って授業をするスタイルが当たり前だった先生方から『本当に教材として役立つのか』と疑問の声も上がりました。また生活指導部の私たちも、どのような生活指導上の問題が新たに出てくるのか、非常に不安でした」と君塚先生は振り返る。
模索しながらタブレット端末規則を整備
そこで、ICT教育推進委員の先生方と協議をしながら、タブレットPC活用に関する最低限のルールを定めていったという。現在は入学時に配布される「学校生活要綱」の中に「ICT(タブレット端末規則)」として定められているが、「どの程度制限を設けたらいいのか、初年度は模索しながらの導入でした」と君塚先生は話す。
導入当初は、ゲームなどがインストールできないようにしていたものの、端末同士でのデータのやり取りやカメラ機能には制限をかけていなかったという。
「そのため、写真を撮影して画像を加工、友だち同士でシェアするなどして楽しむ生徒が現れました。また、校内でのイヤホンの使用をどうするかなども、すぐ課題として浮かび上がりました」(君塚先生)
現在、生徒に配布する「学校生活要綱」に記載された「ICT(タブレット端末規則)」は、非常に細やかな決まりとなっている。校内では基本、教科担当から「タブレットPCを出してください」という指示があって初めてタブレットPCの使用が可能になる。休み時間の利用については、課題や教材としての活用に限定。またクラブ活動では顧問の監督下においてのみの使用、自習スペースでは必要に応じて認められるが、娯楽での使用は認められていない。また、通学路で使うことは基本的に禁止されている。「このように非常に細かなところまで定めています」と君塚先生は説明する。また、この規則については、入学式前に生徒と保護者に説明してからタブレットPCを配布しているという。
このように細やかな規則が定められている同校だが、タブレットPCにおける課題はすべて解決したわけではなかった。