小学生たちが「AIと会話する授業」を体験
「みんなAIって知ってる?」――そう先生が呼びかけると、何人かがうなずき、「ロボット」「会話したりするやつ」と"AI"という言葉を耳にしたことがあることを教えてくれた。
今回授業で用いる「TerraTalk」は、これまで中学・高校などにも導入されている英会話学習アプリケーション。音声認識AIでユーザーの発話を判定し、正しく発音できていれば会話が進むといった形で、AIとの会話を通じて英語のスピーキングを学習できる。現在、小学生のユーザーに合わせた教材も豊富に用意され、レッスンはレベル別に細分化されている。
体験会に参加したのは、小学校1年生から6年生までの9名で、英語のレベル感もさまざま。児童たちには3つのグループに分かれてもらい、それぞれに合ったレベルのレッスンを進めてもらった。その際、ゴール設定は重要だ。今回はレベル別に以下の目標を設定した。
- 自分の紹介ができる
- 好きなもの、嫌いなものについて話せる
- 自分の知りたい内容を伝えることができる
一番簡単なレベルのグループは、「自分の紹介ができる」ようになることを目指す。その一つ上のレベルでは、「好きなもの、嫌いなものについて話せる」ことを、一番難しいレベルでは「自分の知りたい内容を伝えることができる」ことを目指した。
AIというものに漠然としたイメージを持ち、英語にも触れている児童たちだが、TerraTalkを使うのはこれが初めて。まずは先生が前でタブレットの画面をプロジェクターで映しながら、お手本を見せる。最初に取り組むのは「聞こえたものを繰り返す」レッスンだ。正しい文章を、正しく発音できているかをAIが見てくれる。
先生のお手本を一通り見た後、ヘッドホンを付けて児童たちもやってみる。最初は操作にとまどい、ボタンを押すのにもためらいが見られたが、徐々に発話をはじめた児童たち。“I am Takeshi.” “This is an apple.”といった基本的な文章を、お手本にならって適切に発話していた。発話が認識されると文字になってチャットのメッセージ入力ボックスにあらわれるので、それを送信する形で会話を進めていく。
自分が先ほど発した声を聞き返すこともできる。早く終わった児童は自分の声を聞き返して、「自分が思っていた発音とちがった」など新たな発見をしていた。