主な特徴は次の4点で、小学4年生から中学3年生までを対象としている。
- 初心者から本格的なプログラマを目指せる幅広いカリキュラム
- パートナーによる少人数指導
- 作った作品の定期的な発表
- 最新の教材、書籍、機材を使い放題
開講時間は、水・木・金曜の夕方以降(2つの時間帯)と、土曜の日中(3つの時間帯)が設定されており、週1回から4回までのコースを選ぶことができる(原則同じ時間帯に通う)。1回の授業は90分間。
入学金は1万800円で、学費は週1回コースが月額2万1600円から。パソコン利用料は月額4320円で、パソコンを持参する場合は不要(価格はすべて税込)。なお、週1回コースでもNepps開講中の時間帯はキャンパスと機材を自由に使うことができる。
ドワンゴ 代表取締役社長の夏野剛氏は、開校の経緯について、まず「動画やゲームなどの事業は目下立て直し中だが、それらの経営状態は教育事業には関係なく、カドカワと一体経営を進める中で、むしろ拡大戦略をとっている」と前置きした上で、「N高の事業は、通学コースにおけるキャンパス増設、今年4月から開校するN中等部など、右肩上がりで、中高生の間でも存在感を増しつつある。N高が広く受け入れられた要因の一つでもある、ドワンゴの新人研修をベースとしたプログラミング教育の環境をさらに広げられないかと考えた」と説明した。
この教育プログラムは、高校3年間を経て卒業すると、ドワンゴで働き始められるほど実践的なもので、ニコニコ動画などのサービスを支えるドワンゴの一線級のITエンジニアや、社外の優秀なITエンジニアとのコネクション、N高でも用いられている学習アプリ「N予備校」のノウハウなどをもとに、市販の教科書には書かれていない本格的なカリキュラムが用意されているという。
また、プログラミングの実績にもとづく推薦やAO入試による有名大学への入学や、業界を牽引するIT企業での就職・インターン・アルバイト、プログラミング系コンテストでの入賞など、多数の実績を既に挙げている。
夏野氏は「プログラミングの重要性は今さら語るまでもないが、21世紀を生きる人々には必須の武器だと思っている。コンピューターと会話するプログラミングが行えないということは、コンピューターやAIに使われる側に回ってしまうということ。例え、プログラミングの専門職にならなくても他の産業においても、素養として身に着けておくことは大事だ」と述べた。
カリキュラムの特徴としては他にも、「作品作り」を軸とした指導が挙げられた。決められた課題をこなすのではなく、自分が作りたいものを作ることで、自分ごととしてとらえ学習意欲が上がり、課題が生じても自ら乗り越える力が身に着けられるという。生徒3~5名に対し、1人のプログラマ(パートナーと呼ばれる)が付き、作品作りを支援する。
また、ITエンジニアの間で普及している短時間のショートプレゼンテーション大会(ライトニングトーク/LTなどと呼ばれる)の場も提供され、3か月ごとに研究内容を発表する。他者に発信することで、また学びが深まる。
今回、新規開校を記念して、「入学金0円(通常1万800円、2019年4月30日までの入学に限る)」と、「4月分の学費5400円へのディスカウント(通常2万6000円、4月の授業は2回のみ)」の、2つのキャンペーンが行われる。
今後は、教室の全国展開も視野に入れているという。専門性が高く個別指導に近い形態を取る場合、教える人材の確保やスケーラビリティが気になるところだが、その辺りについては、N高のプログラミング教育カリキュラムを担当する吉村総一郎氏が「例えば、N高でのプログラミング教育を経て、高度なスキルを身に着けた学生たちがパートナーとして教える側に回ってもらえると、よい循環が生まれてくるのでは」という考えを示した。
なお、「Nepps」は「N engineer's progressive programming school」の略。