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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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GIGAスクール構想時代における学級担任のススメ

「生成AI」を学校の授業に取り入れる際に必ず注意すべきこととは? 思考を「見せる」ところから始める

GIGAスクール構想時代における学級担任のススメ 第15回

まず教師が「AIとのやり取り」を見せる:Think-Aloud Modeling

一郎
じゃあ、「授業で生成AIを扱うときに一番大事な部分」に入ろうか
はい……やっぱりここが一番不安です
一郎
授業で生成AIを使うときに、最初にやるべきことは何だと思う?
うーん……子どもに触らせる前にルールを決める、とかですか?
一郎
もちろんそれも大事だね。ただ、「最初に」やるべきなのは……「先生が先に使ってみせる」ことだよ。 「生成AIをどう扱うか」は、子どもは全部先生を見て学ぶからね。だから最初は、先生が実際に画面を開いて、どう考えながら使っているのかをその場で見せるんだ

Think-Aloud(思考発話)とは

一郎
そのときに役に立つのが、「Think-Aloud」という手法。聞いたことはある?
名前だけなら……
一郎
簡単に言うと「頭の中で考えていることを、全部そのまま声に出すやり方」だよ
あ、算数の授業とかで「今、こう考えています」って言いながら解くときみたいな?
一郎
そうそう。筆算のやり方を説明するときに「立てる、掛ける、引く、下ろす」って言いながらやることもあるよね。それを生成AIでもやってみるんだ。例えば……

「うーん、今の答えはちょっと根拠が弱いな」

「これは本当に正しいのかな? もう一度別の聞き方をしてみよう」

「あ、この部分は論理が飛んでいるよね? 修正したいな」

一郎
こんなふうに、「判断・迷い・検証」のプロセスを全部オープンにする。すると、子どもは「あ、AIとやり取りするときはこう考えるんだ」って自然に学んでいく
なるほど……先生が黙って操作するより、考え方そのものが伝わるんですね
一郎
だんだん慣れてきたら、一緒に考えてみるのもいいよ。「あれ? これってどう? 合っている?」なんて投げかけながら、先生が操作する方法をトレースさせていくんだ
なるほど。先生の操作を追体験することで、使い方を身につけるんですね
一郎
そうそう。ちなみに、生成AIのレベルはどんどん上がっていくから、今後修正が入ってしまう可能性があるけれど、今のところ間違えやすいのは、表のスクリーンショットを送って、合計や平均値を出させる作業だよ。これは小学5年生と6年生にある算数の単元での活用が考えられる。子どもたちと正解を確認した後に、「ちょっとAIにもやってもらおうか」って言ってやってみると、間違っている。だから、子どもたちも胸を張れるし「AIも間違えるじゃん」っていう感想を持ってくれるから、うってつけだよ

「Expert Model」と「Coping Model」(Philippakos, 2021)

一郎
そして、このThink-Aloudには2つの「見せ方」があるんだ。これは、Philippakosという研究者が2021年の論文で整理しているので紹介するね
へぇ、研究としても扱われているんですね
一郎
そう。そのひとつが「Expert Model」。先生がスムーズに答えにたどり着く姿を見せるやり方だよ。 もうひとつが「Coping Model」。これはね……わざと「迷ったり、つまずいたり、立ち止まったりする姿」を見せるやり方なんだ
わざと……つまずくんですか?
一郎
そう。例えば……

「あれ?これで本当にいいのかな……?」

「ちょっと自信ないから、教科書で確認するね」

「別の観点でもう1回聞いてみようか」

「ん? これはどこの情報だろう?」

一郎
このように「試行錯誤している姿」を見せるんだ
そんな姿を見せる意味ってあるんですか?
一郎
Philippakos(2021)の研究では、Coping Modelのほうが、子どもの自己調整学習(Self-Regulated Learning)に効果的と示されているんだよ
へぇ……! 完璧に見せるより、迷うところも見せてしまったほうがいいんですね
一郎
そのほうが、子どもが「あ、つまずいてもいいんだ」って安心するし、「どう立て直すか」を学べるんだ

生成AIを使った授業でCoping Modelが効く理由

でも生成AIの授業で、どうしてCoping Modelがそんなに大事なんですか?
一郎
生成AIって、ときどき「もっともらしく間違う」でしょ?
……はい。しかも結構堂々と
一郎
その「間違い」とどう向き合うかが、授業の学びになるんだ。子どもは必ず生成AIの誤りや偏りに出会う。だからこそ、「先生がどう疑うのか」「どう確認するのか」「どう修正するのか」。その全部が、子どもにとっての「学びのモデル」になる
なるほど……Coping Modelって、生成AIの「特性」とすごく相性がいいんですね
一郎
そう。それにね、文部科学省のガイドラインで出てきた4つの視点、
  • 人間中心
  • 情報活用能力(吟味する)
  • 公平性・バイアス
  • 著作権・出典
一郎
これらを言葉で説明するより、先生が実際にやってみせるほうが、子どもにはずっと伝わるんだよ
確かに。口で説明されるより、先生の使い方のほうがずっと印象に残ります
一郎
だから授業の最初は、子どもに使わせる前に、先生が生成AIとやり取りする姿をそのまま見せる。ここが一番大事なんだ
なるほど。だんだんイメージが湧いてきました

次のページ
【解説】思考を「声に出す」:授業での見せ方

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この記事の著者

鈴谷 大輔(スズヤ ダイスケ)

 公立小学校教諭。プログラミング教育の教員コミュニティ「Type_T」代表。みんなのコード プログラミング教育 養成塾(2019夏期集中コース)修了。プログラミング教育関連のイベント運営に複数携わる。放送大学「Scratchプログラミング指導法」ゲスト出演。Maker Faire Tokyo 201...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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