トリプルアイズは10月より、北海道大学と学術コンサルティング契約を締結したことを11月11日に発表した。同契約は、生成AIとVRを活用した次世代教育DXモデルの構築を目的とし、北海道が抱える教育格差や教員不足の課題を解決し、地域から次世代DX人材を育成することを目指す。

北海道では過疎化や少子化の影響で学校の統廃合が進み、少人数学級や教員不足が顕在化している。これにより、教員による専門外指導や複数校兼任が常態化し、十分な学びの機会が提供されにくい状況にある。
この地域的な課題に対し、北海道大学の教育工学的知見と、トリプルアイズが持つAIテクノロジー、GPUクラウド、画像認識などの先端技術を融合させ、「どこに住んでいても同じ水準の教育を受けられる仕組み」の実現を図る。
今回の連携を通じて、教育分野におけるAI実装ノウハウの確立を目指し、以下の取り組みを推進する。
- 北海道教育DXへの貢献:VR仮想教室やAIチューターによる遠隔教育で地域差を是正し、自動採点や学習支援機能により教員の業務負担を軽減する。「AI×教育×地域」の連携により、教育の質と地域活力を両立させる。
- 産学連携による持続可能な教育DXモデルの構築:北海道をモデルケースとして、教育工学の知見と企業のAI技術を融合させ、教育現場で長期的に運用できるサブスクリプション型教育DXプラットフォームを設計する。トリプルアイズは教育分野でのAI実装ノウハウを事業の柱のひとつとして確立し、社会課題解決型の新たなビジネス領域へ拡張する。
- 大学内での教育展開:北海道大学において「AIインテグレーション実践講座」や集中講義を実施する。生成AIを活用した探究的プログラミング教育を通じ、AIリテラシーと創造的問題解決力を育成するとともに、北海道遠隔授業配信センター(T-Base)とのコラボレーションによる教育効果の拡張を目指す。
- 地域からDX人材を育成:AI・VRを活用した学びの実践を通じ、地域に根差したDX人材を育成する。都市部に限らず、過疎地域や離島からも次世代人材を輩出するモデルを確立する。
トリプルアイズは、今回の契約を第一歩として、2026年度以降、道内の自治体や教育委員会との連携を拡大する。
将来的には、3年以内に10自治体での導入を目標とし、過疎地域や離島の子どもたちも都市部と同等の学習機会を享受できる教育機会の平等化、AI支援による業務効率化で探究的・対話的教育に集中できる環境を実現する教員負担の軽減、そして地域に根差したDX人材を育成し地域社会へ還元する地域人材の育成といった成果を通じ、北海道から持続可能な教育DXモデルを確立していく。
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