東洋大学は、「総合知」教育を4月に開始すると発表した。同学における「総合知」とは、「物事を多面的に深く考え、自分と他者の持つ知を重ね合わせて、総合的に判断をする力をもたらす知」を意味する。あわせて、学びのサポートツールとなるAIを活用した「総合知アプリ」を本学独自で開発し、導入していく。

社会全体が変化を続ける中で、求められる力も多様化する現代社会では、新たな価値を創造して未来を生き抜く力を身につけるための教育が求められている。「哲学」をルーツとする同学は、学生が自らの問いを持ちその本質に迫って深く考えることが重要だとしている。これらの背景から、今回の「総合知」教育では学生自身が学びを創る「学習者本位の教育」の実現を目指して、学部横断で科目を柔軟に履修できる新しいカリキュラムを導入する。
さらに同学では、「総合知」教育の開始にあわせて、学習者本位の学びをサポートするツールとして、AIを活用した「総合知アプリ」を独自開発している。
「総合知」のカリキュラムは、学生自身が所属する学部の専門分野の履修科目に加えて、他学部の分野における履修科目を主体的に掛け合わせて、それぞれの興味や関心、将来像に合わせて学びをデザインする「わたしの学び」を創れる。具体的には、総合大学として類例のない規模の全14学部・約600の専門科目を全学部共通の「全学基盤教育科目」「全学共通教育科目」として開講。学生自身が所属する学部の専門科目とは別に、興味に応じた科目を学部やキャンパス横断での履修が可能になる。
独自開発された「総合知アプリ」は、AIのさまざまな提案によって、学生自身も気づいていない自らの興味や可能性の発見をナビゲートするといった、学生の学びをサポートする。おもな機能としては、総合知を活かしたキャリアを歩んでいる卒業生などの事例を紹介し、総合知を学ぶ効果をロールモデルとして示すことでイメージを喚起し、学びへのモチベーションを高める「事例紹介(Collection)」、自身の専門分野、興味のある学問分野、これまでの経験、将来実現したいことなどを設定して、それらがどのようなキャリアや活躍の場につながるのかをAIが生成・提案し、学生自身が気づいていない新たな視点の獲得につながる「学問の組み合わせ生成(Simulator)」、興味を持つ分野、学んでみたい分野を見つけたら、それを学ぶための科目を検索でき、条件に合うものを表示するだけでなく、専門分野とその科目が組み合わさることで生まれる価値も示す「科目検索(Navigator)」、履修に関する困りごとを検索可能なAIアシスタント機能「AI履修情報検索アシスタント」を備えている。

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