学生スタッフが主体的に考え、対応する「ITサービスデスク」
──東京理科大学 ITサービスデスクでアルバイトの学生が窓口業務を担当することになった経緯を教えてください。
東京理科大学 情報システム部 担当次長 篠原篤氏(以下、篠原):ITサービスデスクで学生スタッフの勤務がスタートしたのは2023年の4月で、その前年の10月から事前の研修などに取り組んでもらいました。
ITサービスデスクの方針として、大学では5つの柱を定めました。「学生の経済支援」「社会で必要なデジタルスキルの獲得」「学内インターンでの社会貢献的な活動」「ヘルプデスク業務のコスト軽減」「大学のグループ会社である東京理科大学アカデミックパートナーズとの協業」の5つです。
従来、ITサービスデスクは専任の職員や、外部の企業が対応していましたが、問い合わせ情報を蓄積し段階的に移行することで、業務移管が実現しました。現在は総勢60名ほどの学生がアルバイトとして所属しており、各キャンパスで業務にあたっています。情報系学科以外の学生も多く、学年もさまざまです。

──ITサービスデスクは現在、どのような体制で運営しているのでしょうか。
東京理科大学 情報システム部 参与/東京理科大学アカデミックパートナーズ株式会社 社長 武田宏氏(以下、武田):体制としては、3つのキャンパスに学生スタッフとスーパーバイザー(専門職員)が常駐しており、問い合わせの一次対応を行います。学生が取り扱えない機微情報を含んだ問い合わせは、スーパーバイザーが担当します。そこで解決しない専門的な問題は、情報システム部の職員に上がってくる仕組みです。
先ほどお伝えした「5つの柱」で示しているように、社会で求められる実践的なデジタルスキルの獲得や、就職活動に役立つ学内インターンとしての目的もあるので、一般的な企業と同じ体制になるよう意識しています。
学生スタッフは対応マニュアルを見ながら、主体的に回答を出しています。スーパーバイザーはいるものの、学生スタッフ同士が助け合うことで、学生自身の学びにもつながっている点が特徴と言えます。

東京理科大学ホールディングス株式会社 総務人事部 課長 福田豊氏(以下、福田):また、定期的に企業で新入社員研修を行っている講師の先生にお越しいただき、ビジネスマナー研修を実施しています。基本的なあいさつの仕方やメールの書き方、電話対応などを学んでもらっているのですが、特に電話は不慣れな学生が多いので、ロールプレイングも含めて電話対応の研修は重点的に行っています。
