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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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ICT教育サービス開発者インタビュー(AD)

児童生徒が主体的に考え、次の学びにつなぐには何が必要?「スクールタクト」振り返りAI分析の実証に見る

株式会社コードタクト 教育総研 江添光城氏インタビュー

学びのサイクルを回す「振り返りAI分析」

──2023年10月にβ版として追加された機能「振り返りAI分析」について詳しく教えてください。どのような機能なのでしょうか。

 振り返りAI分析は、児童生徒が入力した「振り返り」を、コードタクトが独自に開発したAIが客観的かつリアルタイムに、「事実」「感想」「考察/要因」「考察/仮説」「結論」の5観点に分類する機能です。コルブの「経験学習」や、ギブスの「リフレクティブサイクル」のモデルをベースに、弊社の研究チームが考案したシステムです。

振り返りAI分析 5つの観点
振り返りAI分析 5つの観点

 開発の背景としては、児童生徒が授業の終わりに書く振り返りが「授業の感想」にとどまりがちで、先生も振り返りを次の学びにつなげたいと思っているものの、記述内容の分析やフィードバックに手が回りきらず、書かせて終わりになってしまっているという現状がありました。そこで「児童生徒自身が自分の学びをしっかりと言語化し、その振り返りのサイクルを回すことができるようになると、よりよい学びにつながるのではないか」という発想のもと、振り返りAI分析の開発が始まりました。

 OECDの「Education2030プロジェクト」でも、「AAR(Anticipation、Action、Reflection:見通し、行動、振り返り)」のサイクルを回していくことが学習効果を高めると示されており、必然的に「振り返り」に着目する流れになってきたと考えています。

──振り返りの必要性は感じていても先生の負担が大きく、学校現場ではなかなか実現できていなかったということですね。

 その通りです。私も教員時代は、毎日100冊近くのノートの回収と評価に追われていました。現場としては、クラウドツールで配布・回収する手間が省けるだけでも助かるものですが、それらがさらにAI分析によって記述内容の見取りもしやすくなります。先生の負担もかなり軽減されるのではないでしょうか。

──「振り返りの5観点」についてもう少し詳しく教えてください。どのような形で、児童生徒に5観点を提示するのでしょうか。

 児童生徒が書いた振り返りの文章に対し、下線で5観点のタグが付けられます。「事実」「感想」「考察/要因」「考察/仮説」「結論」の5観点は、先生と児童生徒の画面で同じ言葉を使って表示されます。5観点を児童生徒向けにわかりやすい表現に変えることも検討しましたが、最終的にはそれぞれの観点に補足説明を入れる形にしました。また、それぞれの観点では「感性的」「理性的」、どちらの傾向が強いかも確認することができます。

振り返りAI分析画面のイメージ
振り返りAI分析画面のイメージ

 先生と児童生徒の画面の機能や表現に大きな差をつけなかったのは、先生の画面を電子黒板などで映す際にわかりやすくするためです。また、自分が書いた文章が振り返りの5観点でタグ付けされることによって、「こんな文章を書くと『感想』になってしまうんだな」と、児童生徒自身で振り返りの観点を学んでほしいという思いも込めています。

振り返りの分析を活用し、授業改善や評価に役立てる

──この振り返りの結果から、先生はどのように児童生徒をサポートすればよいでしょうか。

 振り返りAI分析によって5観点に分類されているので、「ここに着目してほしい」といったポイントを絞って児童生徒にフィードバックができるようになります。

 もっとも重要なのは、振り返りを次の学びにつなげることです。例えば、「楽しかった」などの端的な感想のみで振り返りが終わっている児童生徒に対しては、「自分が感じたものをもとに、どんなことがわかったのか、もう少し自分で表現できるといいね」といった声かけをします。すると、次の授業では学んだ内容をもとに「○○がわかった」と、少し具体的に書けるようになります。そのうえでさらに「わかったのはどうしてなのか、その理由が書けるといいね」と声がけをします。直接的な「こう書きなさい」という指導ではなく、最初は先生の声がけで振り返りの本質に向かうための「足場」を作っていき、慣れてきたら、その足場を外していく指導がよいのではと思います。

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分析の結果を見ることで、児童生徒は自ら気づき学んでいく

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この記事の著者

相川 いずみ(アイカワ イズミ)

 教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、教育におけるデジタル活用を中心に、全国の学校を取材・執筆を行っている。渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足しプログラミング体験教室などを開催したほか、シニア向けサポートを行う渋谷区デジタル活用支援員としても活動中。

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丸毛 透(マルモ トオル)

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森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

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