本のレビューを書く場所は紙からアプリへ
──ブックマラソンは具体的にどのようなやり方で実施しているのでしょうか?
現在は、日本事務器さんの文献レビューアプリ「BOOK MARRY」を導入して使っています。
BOOK MARRYはメンバーを限定してレビューを共有できるので、大学外の不特定多数の人に見られる心配はありません。学生は読んだ本を登録してレビューを書き、自分の読書履歴を蓄積できます。また、ほかの学生のレビューがタイムラインに表示されるので、先輩が卒論に使った文献なども参考にできます。今後は統計的によく読まれている本を分析して、選書や研究に生かしてもらえたらと考えています。
また、活用の機会を増やすため、ゼミや授業で指定された本を読んでBOOK MARRYに投稿するといった取り組みも推進しています。教員もアカウントを持っているので、リアルタイムで学生のレビューを閲覧、把握することができます。
──アプリを導入する以前は、紙やExcelで読書記録を管理していたと伺っています。
私がブックマラソンの担当者に就任した2018年時点では、まだ紙で本のレビューを集めていました。就任してすぐに、1000枚くらいの紙の束を受け取ったのですが、これではどの学生がどのような本をどれくらい読んでいるのか、把握しきれません。
そこでExcelのフォーマットを作成して、それを大学のプラットフォームである「Moodle」を通して配信する方法に変更しました。学生は1年間、そのExcelファイルに読んだ本とそのレビューを書き留めて、最終授業の日に教員に提出する、というやり方です。
しかし、このやり方もMacのPCには対応していないなどの問題がありました。さらに教員と学生間のやり取りでしかなく、学生同士がお互いのレビューを閲覧することもできません。
アプリを導入してからは、学生同士がお互いのレビューを見て参考にしたり、教員もリアルタイムにアップされたレビューを見たりすることが可能になりました。本来のブックマラソンのねらいが徐々に達成されつつあります。
アプリに関して、学生からも「使いやすい」という声を聞きます。本を読んですぐにスマホでレビューを書けるので、より気軽に活用できているようです。