ティファナ・ドットコム、愛媛県の全公立学校教職員に向け「AIさくらさん」によるメンタルヘルスケア支援を開始

　ティファナ・ドットコムは、愛媛県教育委員会の委託を受け、同県の全公立学校教職員（会計年度任用職員を除く）を対象に同社が提供する「AIさくらさん」を導入し、8月5日からメンタルヘルスケア支援をスタートした。この導入は、教職員が心身ともに健康で教育に専念できる環境づくりを目的としている。

　文部科学省の調査によると、2022年度における教員の精神疾患による病気休職者数は全国で過去最多の6539人に達した。愛媛県でも同様の傾向が見られ、2022年度に過去最多となる62人まで増加し、早急かつ効果的な対策が求められていた。

　これまで愛媛県教育委員会では、ストレスチェックや産業保健スタッフによる相談体制の整備などさまざまな対策を講じてきた。しかし、教職員の業務の多忙や相談することへの躊躇など既存の支援策の利用に課題もあったことから、教職員が時間や場所に制約されることなく気軽に自己のメンタルヘルス状態を把握し改善に取り組めるよう、AIを活用したメンタルヘルスシステム「AIさくらさん」を導入することとした。

　「AIさくらさん」は、教職員のメンタルヘルスケアを強力にサポートするためのサービスとなる。教職員が日常的に抱えるストレスやメンタルの不調を診断結果や会話から自動的に察知し、症状が重くなる前に適切なケアを提案することにより安心して業務に取り組めるようサポートし、教職員の休職や離職の防止につながることが期待されている。

　また「AIさくらさん」は個人情報保護に細心の注意を払い、匿名化されたデータ分析を活用して組織全体の健康管理を支援している。多くの利用により組織の全体的なメンタルヘルスの傾向や課題を把握し、適切な対策を講じることが可能となることから、個々の教職員のプライバシーを守りつつ、より健康的な職場環境の構築に寄与する。

　さらに「AIさくらさん」は24時間365日のサポート体制を備えており、教職員が必要とする場面に応じて時間や場所を問わずに利用しサポートを受けられる。希望する教職員は「AIさくらさん」を通じて専門の保健スタッフに直接相談もできるなど、個々に応じたよりきめ細やかなサポートを受けることが可能となる。なお、愛媛県教育委員会での導入は「AIさくらさん」が初めて教職員向けに提供される事例となる。

　今後同社は、教職員のフィードバックをもとにさらなる機能の拡充を図り、より効果的なメンタルヘルスケア支援を実現することを目指す。例えば「AIさくらさん」は、教職員が個別に抱えるストレス要因に対してより精緻なアプローチを提供するために、AI技術を活用した新たな機能を追加する予定としている。