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イベントレポート(ICT活用)

国・県・教員、それぞれの立ち位置から見たGIGAスクール構想の現状と未来──有識者3名が語り合う

2024年度「かごしま 未来の学びをつくる会」鼎談「ボクらの時代~GIGAという時代~」レポート

 8月9日に鹿児島市で開催された「かごしま未来の学びをつくる会」において、国・県・教員の立場を代表する3者が「鼎談(ていだん)」を行った。テーマは「ボクらの時代~GIGAという時代~」。鼎談のキーワードは「立ち位置」で、大きく分けて「1:登壇者の立ち位置」「2:国・県・教員の立場から見たGIGAスクール構想の現在の立ち位置(到達度)」「3:GIGAの目的『学びの変革』実現までにそれぞれの立ち位置で取り組むべきこと」の3点について議論された。

GIGAスクール構想「まで」の登壇者の立ち位置と学習指導要領

 冒頭、ファシリテーターを勤めた平井聡一郎氏は、自身を含めた登壇者を紹介するうえで、それぞれの「立ち位置」を以下の通り示した。

平井聡一郎氏

 合同会社未来教育デザイン 代表社員。今は自身を「民間」の人間としつつ、以前は茨城県の公立小中学校の教職員および管理職(教頭・校長)、茨城県教育庁および基礎自治体の教育委員会職員として、教育の情報化を推進する業務を歴任してきた。そのため、今回は「現場の教職員」としての立ち位置で鼎談を主導した。現職ではGIGAスクール構想時代における、教職員や管理職に求められるスキルを伸ばすための研修講師として全国を飛び回っている。

武藤久慶氏

 文部科学省 初等中等教育局 教育課程課長。現在の在籍課では次期学習指導要領の検討を行っている。以前は次期GIGAスクール構想(2nd GIGA)の予算確保に向け、学校で展開されるGIGAスクール構想に関する成功事例の収集と発信をしてきたほか、端末の活用促進に向けた課題解決のため全国の自治体や学校に直接訪問し、研修講師を務め、アドバイスを行ってきた。

水島淳氏

 鹿児島県教育庁 義務教育課長 兼 学校教育ICT推進監。現職に着任する前は文部科学省に10年ほど勤めており、高校無償化施策の担当、法令審議室での法令審査、専門学校担当部署や大臣官房会計課にて、コロナ禍対応や1st GIGAの予算取りまとめ、初等中等教育企画課にて教職員の人事行政やメンタルヘルス・働き方改革などの業務を歴任してきた。2023年の4月より現職。鹿児島県下の小中学校で学ぶ13万人の学習環境や学校教育内容の改善を目指し、離島を含め県内各地の学校を訪問している。

左から、平井聡一郎氏、武藤久慶氏、水島淳氏
左から、平井聡一郎氏、武藤久慶氏、水島淳氏

 こうした立ち位置を踏まえて平井氏は、初期(1st)GIGAスクール構想、つまり現在のGIGAスクール構想に至るまでの登壇者の立ち位置を考えるうえで、全員が目指すところの原点は「学習指導要領」の総則編に集約されていると指摘。

 その学習指導要領を担当している武藤氏は「ぜひ読んでほしいし、読むと意外にいいことが書いてある。『こんなチャレンジをしたい』といった気持ちで読むと、『縛られる』というよりも、『背中を押してもらえる』と感じていただけると思う。私は現在、鎌倉市の前教育長である岩岡寛人さんと一緒に働いているが、岩岡さんは『読めば読むほど自由になれる』と言っていた。みなさんは『本当か?』と思うかもしれないが、そのような側面も多くあるのでぜひご覧いただきたい」と述べた。

 鹿児島県教育委員会の立場として、水島氏も「東京から鹿児島に来てより強く感じるが、日本という国全体におけるスタンダードとして、教育の質の担保を図る必要がある点において、方向性や指針として軸になるもの。ぜひみなさんに参照してほしい」と会場に呼びかけた。

 平井氏も「学習指導要領自体は『これをやらなきゃいけない』とは言っていなくて、むしろ『こういうことをやってもいいよ、こんなふうにやってごらん』という国からのメッセージ」であるとして、教職員や教育関係者に参照することを広く呼びかけた。

次のページ
学校DXの現在の立ち位置(進捗度)をどう捉えるか

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この記事の著者

野本 竜哉(EduOps研究所 代表)(ノモト タツヤ)

 情報工学修士。高校生時代に自身が1人1台の端末環境で学んだ経験を世に広げるべく、通信企業の学校SE、教育企業の管理職、教育系システム会社の執行役員を歴任し、一貫して教育×ICT領域の事業に従事。2024年8月に独立し「技術をやさしく伝える」をモットーとした教育現場の取材・執筆・情報発信活動の傍ら、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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