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内田洋行、横浜市の教育DX実現を支援するため全小中学校など496校に学習支援システム「横浜St☆dy Navi」を構築

 内田洋行は、神奈川県横浜市において、市立小・中・義務教育・特別支援学校496校に学習支援システム「横浜St☆dy Navi(横浜スタディナビ)」を構築し、6月から全校で運用が開始されることを、6月13日に発表した。

 横浜市は未来の教育の実現に向けた「横浜教育DX」を策定し、児童生徒、教職員・学校、教育委員会の三者をつなぐ教育データのさらなる分析・利活用を掲げ、横浜市の公教育全体の向上を目指している。その柱となる取り組みとして学習支援システム「横浜St☆dy Navi」の構築を進めており、2023年度にはモデル校での試行検証を行い、6月から市内全校に展開する。

 「横浜St☆dy Navi」は、横浜市学力・学習状況調査をはじめ、学校生活や学習に関するさまざまなデータを児童生徒、教職員、教育委員会が活用するための情報基盤。セキュリティにも配慮された環境で教育データを効果的に活用できる。

 内田洋行は、国の実証事業や他自治体でのこれまでの取り組みを踏まえ、教育データのコンサルティングとシステム全体の設計・開発・活用支援を行い横浜市の教育データ活用を支援している。

 「横浜St☆dy Navi」の特徴は以下の通り。

児童生徒・教職員・教育委員会がそれぞれ使用する3種類のダッシュボードを開発

 児童生徒、教職員・学校、教育委員会のそれぞれの目的に応じた3種類の、使いやすく見やすいデザインのダッシュボード機能を備えている。

1.「児童生徒用ダッシュボード」

 自分自身の学習面、生活面の履歴を確認し、振り返りや学習計画などの自己変容に活用できる。

2.「教職員用ダッシュボード」

 児童生徒の学習面・生活面の状況を学校・クラス・個人単位で表示し、傾向などを確認できるようにすることで、一人ひとりに応じた指導・支援を可能にする。データを活用することで、学校内の複数教員がチームで指導にあたることが可能となる。

3.「教育委員会用分析システム」

 横浜市立学校全体の状況をデータで把握し、教育施策の立案や効果的な指導方法の検討などに活用するために、さまざまなデータを組み合わせて分析できる仕組みを備えている。

児童生徒用ダッシュボード:自分の学習面、生活面の振り返りが可能。低学年はひらがなの表示もできる。
児童生徒用ダッシュボード:自分の学習面、生活面の振り返りが可能。低学年はひらがなの表示もできる。
教職員用ダッシュボード:授業アンケート、健康観察、出欠席など児童生徒の状況を一元的に表示し、共有できる。
教職員用ダッシュボード:授業アンケート、健康観察、出欠席など児童生徒の状況を一元的に表示し、共有できる。
教育委員会用分析システム:横浜市全体の傾向を俯瞰して可視化、学校ごとの実績や経年変化を分析できる。データを自由に組み合わせて分析、専門知識がなくても使えるクラウドBIツール。
教育委員会用分析システム:横浜市全体の傾向を俯瞰して可視化、学校ごとの実績や経年変化を分析できる。データを自由に組み合わせて分析、専門知識がなくても使えるクラウドBIツール。

 それぞれのダッシュボードでは、以下のようなデータを表示・分析、経年変化などを比較できるようになっており、今後表示するデータを順次拡大する。

ダッシュボードで表示する各種データ(一部抜粋)
ダッシュボードで表示する各種データ(一部抜粋)

横浜市の「はまっ子デジタル学習ドリル」をCBTシステム「MEXCBT」上で活用

 横浜市が作成しPDFなどで公開していた「はまっ子デジタル学習ドリル」の問題を文部科学省CBTシステム「MEXCBT」上で活用できるようにすることで、1人1台端末でいつでも学習に利用できるようになった。

 内田洋行の学習eポータル「L-Gate(エルゲート)」の機能により「はまっ子デジタル学習ドリル」の学習結果レポートが表示できるため、教育委員会や教職員だけではなく、児童生徒もデータを活用した学びに取り組める。

「はまっ子デジタル学習ドリル」の受検状況を「L-Gate」の「まなびログ」で可視化
「はまっ子デジタル学習ドリル」の受検状況を「L-Gate」の「まなびログ」で可視化

横浜市学力・学習状況調査の分析チャートをダッシュボードでより使いやすく

 横浜市が開発した横浜市学力・学習状況調査の結果を表示する「分析チャート」は、これまで各学校へCD-ROMで配布していた。この度、より見やすく改修して「横浜St☆dy Navi」上で利用できるようにし、教職員が活用しやすい環境になった。この「分析チャート」は義務教育9年間の一人ひとりの「学力」の伸びを経年で把握できる非常に重要なものであり、いつでも確認・分析できるようにすることで経験や勘に加えて客観的なデータを活用した子どもの理解や授業改善を推進するもの。

分析チャート 学力・学習意識・生活意識
分析チャート 学力・学習意識・生活意識
分析チャート 個人ごとの学力推定値
分析チャート 個人ごとの学力推定値

学習eポータル「L-Gate」を統合プラットフォームとして活用

 「横浜St☆dy Navi」は「L-Gate」をデータ連携のプラットフォームとして活用している。「L-Gate」は日本1EdTech協会の国際技術標準や学習eポータル標準に準拠しており、毎日の健康観察や授業アンケート、「はまっ子デジタル学習ドリル」の活用履歴などさまざまなアプリケーションのデータ連携が可能となっている。将来的には多くのデジタルドリル、学習コンテンツや校務支援システムとのデータ連携を目指す。

データを安全に利用するためのセキュアな認証基盤

 安全にデータ活用できる環境として、セキュリティ強度の高い認証基盤を構築した。複数のクラウドサービスを利用する際のアカウントを統合するID管理の仕組みや、IDとパスワードだけでは防ぎきれない不正アクセスにも対応できる強固な認証機能を備えた、ゼロトラストにも対応可能な認証基盤となっている。利用者の利便性とセキュリティの両立により、安全で使いやすい環境を構築している。

デジタル化された家庭と学校間の連絡もダッシュボードに反映

 2024年4月から市立学校(全校種)での家庭と学校の連絡システムの運用を開始した。保護者のスマートフォンで学校との連絡ができるようになり、欠席連絡やお便り、アンケートなどが電子化される。電話応対や印刷・配付などの手間も解消し、教職員の働き方改革にもつなげていく。今後はこれらのデータが「横浜St☆dy Navi」にも連携されるようになる。

個人情報に配慮したデータの集約・分析と活用について

 横浜市が保持している児童生徒に関するさまざまなデータは、個人情報保護法令にもとづいて利用目的や管理・運用を明確にし、個人情報の取り扱いは教育上必要な範囲としている。児童生徒や保護者に対する丁寧な説明を行いながら、個人の安心を担保できる形に整備した上でデータ活用を行う。

 なお、これらの取り組みに加えて「横浜教育DX」の推進に向け、先端技術などを活用する教育空間が市内のモデル校1校に設置される(2024年5月予定)。この教育空間には、内田洋行の教室環境構築のノウハウを生かし、最新のICTツールを装着できる空間構築ユニット「SmartInfill(スマートインフィル)」に4台のプロジェクターと大型スクリーンを設置。児童生徒が制作するデジタル作品等を大画面に投影できる。

 さらに、遠隔地と等身大サイズで授業が行える「RealSizePresenter(リアルサイズプレゼンター)」や、複数のAV機器の操作をタブレットからワイヤレスで行う「codemari(コデマリ)」によって、プレゼンテーションやグループワークなど多様な授業を演出するフレキシブルな教室空間となっている。

 今後は横浜市と内田洋行が連携・協力して最先端な学習空間の在り方を研究する環境として活用を進めていく。

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https://edtechzine.jp/article/detail/11132 2024/06/14 13:10

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