School Voice Projectは、全国の小~高校年齢の児童生徒が通う、一条校(学校教育法第1条に定められた学校)に勤務する教職員を対象に実施した、授業の持ちコマ数の上限を設定するとしたら週何コマ程度が妥当かに関する調査結果を、2月6日に発表した。同調査は、2023年9月15日~12月31日の期間に行われ、335名から回答を得ている。
調査対象者に、現在受け持っている週あたりの授業のコマ数を尋ねたところ、勤務している学校の種類によって大きく異なる結果となった。児童生徒の学齢が低い学校ほど授業のコマ数が多く、小学校では74%の教職員が21コマ以上を担当している。
現在、受け持っているコマ数の負担について質問したところ、全体の半数以上の教員が「負担」「どちらかというと負担」と回答した。学校の種類別でみると、担当しているコマ数が比較的多い小学校や特別支援学校では、負担を感じている人がとりわけ多い。
担当している授業のコマ数別でみると、担当しているコマ数が多いほど負担を感じている人が多い傾向となっている。週26コマ以上を担当している人では、「負担」と「どちらかというと負担」を合わせた割合が96%に達した。
教員の心身の健康を守るために、「最大でもここまでに収めるべき」と考えるコマ数としては、全体では「16~20コマ」が63%ともっとも多い。学校の種類別では、「10コマ以下」と「11~15コマ」を合わせた回答は小学校では4%だったのに対して、高校では54%と大きな差異がみられる。
十分な授業準備をして授業の質を維持するために、望ましいと考えるコマ数を尋ねた質問では、小学校と中学校・高校で大きな差異がみられた。小学校では「16コマ以上20コマ以下」(70%)が最多だったのに対して、中学校と高校では「11コマ以上15コマ以下」(中学校:63%、高校:68%)が最多となっている。特別支援学校では、「11コマ以上15コマ以下」と「16コマ以上20コマ以下」の回答がほぼ同数だった。
勤務時間内に業務を終えるため、本来この程度に収めるべきと考えるコマ数は、授業の質を維持するために望ましいコマ数とほぼ同様の結果となっている。全体的には、授業の質を維持するために望ましいコマ数よりも少ないコマ数を挙げる人が多かった。
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