日本システム技術(JAST)と西日本電信電話(NTT西日本)は、大学における事務業務や教育環境のDXに向けて、両社が強みを持つサービスの連携・開発などの協業強化に取り組むことを、10月5日に発表した。
近年、大学においては18歳人口の減少にともなう学生獲得競争のさらなる激化、大学職員の減少、リカレント教育やリスキリングの社会課題化、通信制大学の役割拡大といった、卒業生・社会人も含めた「学生の多様化」への対応が求められている。一方で、複数大学による人的・物的リソースの効果的共有および教育研究機能の強化を促すべく、大学設置基準が改正されるなど大学を取り巻く環境は大きく変化している。
これまで両社は、JASTが提供する戦略的大学経営システム「GAKUENシリーズ」を、NTT西日本が大学へ販売するという販売連携や、NTT西日本が有する地域創生クラウドをJASTの「GAKUENシリーズ」の基盤として提供する相互販売連携を実施している。さらに、2016年にNTT西日本が全国のコンビニエンスストアで成績証明書など各種証明書の発行を可能とする「証明書発行サービス」をリリースしてからは、両社のシステムのデータ連携を案件ごとに開発してきた。
今回の協業強化では、教務システム・コンビニ証明発行などの分野におけるノウハウを有する両社が近年の大学における複雑化・多様化した課題に対応するため、これまでの販売中心の連携に留まらず、それぞれの強みを活かしてサービスを共同で検討・開発し、解決に向けて取り組んでいくことを目的としている。
第1弾としては、NTT西日本の証明書発行サービスとJASTの教務システム、NTT西日本のLinkU-ID認証連携サービスとJASTの卒業生ポータルサービスに関して、標準連携の仕組みを相互に開発。大学における課題解決に対応すべく、2023年度末から順次全国の大学へ提供していく。
証明書発行サービスと教務システムの標準連携では、単にデータ連携の仕組みを標準化するだけではなく、各種設定を教務システム側のみで対応できるようにすべく、サービス連携を実現する。利用大学におけるコスト負担の軽減や、導入期間の短縮・職員稼働の削減を可能にする。
LinkU-ID認証連携サービスと卒業生ポータルサービスの標準連携では、JASTが2024年4月にリリースする「卒業生ポータル」サービスと、NTT西日本が証明書発行サービスで預かっている大学生・卒業生のID(約900万ID)を管理する「LinkU-ID認証連携サービス」とを連携させる。これにより、大学卒業後の卒業生への情報配信や寄付金の受け付けや、リカレント教育の提供などの各種サービスをシームレスに利用できるポータルサービスについて、段階的な提供開始を予定している。
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