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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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未来の学校現場考──教員のサステナブルな働き方を考える

「辞めたい」ではなく「続けられない」──月100人のキャリア相談で見えた先生の本音

未来の学校現場考──教員のサステナブルな働き方を考える 第1回


 近年、学校現場における教員の労働環境の過酷さが、メディアを通じて頻繁に報じられるようになりました。先生という仕事にやりがいを感じる一方、多忙な日々に追われ心身ともに疲労している教員が多く存在します。東京都の調査によると、新人教員の離職率が2024年には4.9%に上ったそうです。民間と比べると低いものの、3年連続で増加傾向にあるのが現状です。そこで、教育現場で教員が直面している問題について、月に約100人もの教員からキャリア相談を受ける株式会社クジラボの代表 森實泰司氏にお話を伺いました。今回から全12回にわたり、連載「未来の学校現場考──教員のサステナブルな働き方を考える」をお届けします。第1回のテーマは「月100人のキャリア相談で見えた先生の本音」です。

株式会社クジラボ 代表取締役 森實泰司(もりざね だいじ)氏

 株式会社リクルートで採用コンサルタント、ITベンチャーで人事責任者経験後、人事コンサルタントとして独立。現在も人事顧問に従事するなど、教員をはじめ数多くの転職者と関わる。2019年に学校法人の事業を承継し私学経営を行うかたわら、2021年に教員のキャリア支援事業を行う株式会社クジラボを創業。ミッションは教育のオープン化。

月100人が訪れる、教員のキャリア相談事情

──毎月100人の先生がキャリア相談に来られるそうですが、どのような先生方が多いのでしょうか?

 小学校、中学校、高校、そして特別支援学校の先生など学校種問わず多くの先生方が相談に来られています。年齢層も20代から50代と幅広く、若手教員からベテラン教員までさまざまです。特に、20代から30代の若手教員が多く、男女の割合だと女性の方が若干多くなっています。

 総じて特徴的なのは「早い段階で教員になることを志し、教員以外の道を考えたことがなかった」ということ。多くの相談者が一般的な就職活動で自己分析を経験せずに、まっすぐに「教員」という道を歩んできたので、自分の価値観や強みを見つけることができず悩んでいます。だからこそ、相談に来たときには「このままでいいんだろうか?」と漠然とした不安を抱えていらっしゃるんです。

教員のキャリア支援サービスは2023年6月のリリース後、1年間で相談数1000件を突破
教員のキャリア支援サービスは2023年6月のリリース後、1年間で相談数1000件を突破

──どのような相談が多いのか、具体的に教えてください。

 最も多いのは、精神的なストレスに関する悩みです。教員の業務は授業だけではなく、児童生徒や保護者、地域住民、そして同僚といった多くのステークホルダーと関わることが求められるため、構造上ストレスを受けやすい環境になっています。子ども一人ひとりに合った支援を行うため、常に神経を使う仕事です。また、保護者からの要望や指摘も多く、対応に追われることが精神的な負担になっています。

 さらに、現場では長時間労働が日常化しているため、「この働き方を続けられるのか」という不安を抱く方も多くいらっしゃいます。例えば、30代で3人のお子さんを持つ女性教員は、「もっと早く帰りたい」と思いながらも、同僚の目が気になって帰れないという悩みを打ち明けてくださいました。家庭と仕事の両立に悩んでいるケースは少なくありません。

 そのほかにも、公立の先生の場合には異動による環境の変化がストレスの引き金になる場合があります。「1校目と2校目の職場文化が違いすぎてついていけない」といった相談もよく頂きます。

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本当は辞めたいわけではない? 先生方の本音とは

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この記事の著者

津田 迪加(ツダ ユカ)

 公立小学校教員を11年経験後、教育の現場で培ってきた傾聴スキルや言語化スキルを生かし、フリーランスライター・編集者として活動中。株式会社クジラボに2021年創業時より携わり、教員向けイベントの企画・運営も行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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