東日本電信電話(NTT東日本)埼玉南支店は、越谷市の公立小中学校に対してギャランティ回線である広域イーサネットサービス(高速広帯域アクセス:Interconnected WAN)を使用した、SINET(サイネット)6接続を行うネットワークを9月1日から提供することで、教育ICT環境の充実を実現した。
越谷市ではGIGAスクール構想にともない、2021年度から1人1台の端末配布によって教育ICT環境の整備を行い、授業での端末およびインターネット利用が大幅に増えている。2024年以降は、県内において学力調査などのCBT(Computer Based Testing)化、デジタル教科書の本格導入なども検討される中で、インターネット回線速度不足や不安定な通信環境、教職員による保守稼働などの課題が顕在化していた。
同社は、地域に密着するシステムインテグレーション企業として、多くの自治体の教育ネットワーク基盤、GIGAスクール環境の構築・運用を積み重ねている。そこで培った知見に基づき、現状の課題の解決および将来的な教育のデジタル化に向けて、児童生徒が快適にICTを使って学べるネットワーク環境を整備することになった。
越谷市における取り組みでは、各学校および接続台数10台未満の拠点、さらに越谷市データセンターやSINET6へのギャランティ回線を導入することで、一斉のCBTテストなどイベント時にも耐えうる帯域を確保した。また、24時間365日の障害対応とアクセス回線監視を行い、サービス品質保証(SLA)を採用したネットワークの運用管理を実施。専用窓口による運用保守の一元対応も行っている。さらに、SINET6への高速かつ安定した接続環境を構築することによって、超高速・低遅延でのインターネット接続を実現した。
高速なネットワークの導入を通じて、ネットワーク帯域を必要とする動画やカメラアプリなどの活用、次年度以降に本格運用が想定されるデジタル教科書、AIドリルなどを利用した授業が安定して実施できるようになり、教育の質の向上が可能となる。また、授業支援アプリやアンケートアプリなどを利用した、オンラインでの双方向コミュニケーションにもスムーズに取り組める。
そのほか、デジタル機器の活用による授業効率の向上、回線保守運用の手離れなどを通じて、教職員の負担を軽減し、次世代教育活動に時間を割けるようになる。
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