モノグサは、同社が提供する記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」を活用し、墨田区立桜堤中学校と墨田区立梅若小学校において2023年度より小中連携の取り組みを開始したことを、5月15日に発表した。同一地域にある2校が「Monoxer」の学習データを連携することで、梅若小学校の児童が卒業した後、桜堤中学校に進学した際に適切な指導を行い、学習における「中1ギャップ」解消を目指す。
「中1ギャップ」は小学校から中学校へ進学する際に新しい生活や学習環境の変化から起こる問題全般のことで、学習における「中1ギャップ」は、中学校への進学を契機に学習内容の急激な増加や専門化により学習についていけないなどの支障が生じてしまう現象のことを指す。生活の変化により学習習慣の形成に困難を感じてしまうことがひとつの要因として考えられる。
公立学校では、小学校での学習傾向を中学校の教職員が定量データで客観的に把握することが難しく、定性的な情報に基づいて指導を実施している。しかし小学校6年間の生徒の学習傾向が把握しきれない状態で指導が始まってしまうため、生徒の困難に寄り添いきれない側面がある。
このような公立学校の学習における「中1ギャップ」を解消するため、同学区内にある桜堤中学校と梅若小学校は「Monoxer」を活用した学習データ連携を開始する。これにより、学習における定量データも用いて生徒の学習指導に向き合うことが可能となる。
「Monoxer」では、児童生徒の学習データを記憶情報として「個人ごと」に記録・持ち運びを可能としているため、小学校での学習内容の習熟度を正確かつリアルタイムに中学校と共有できる。
桜堤中学校では2022年11月、梅若小学校では2023年1月から「Monoxer」の活用を開始している。梅若小学校から桜堤中学校へ進学する生徒は、同一の「Monoxer」IDを継続して利用することになる。これにより「Monoxer」IDに紐づく記憶情報を基にした学習データ連携が完了し、中学校の教員は小学校での学習事項について現状の定着度合いや予測される忘却状況を数値として把握することが可能となる。
これらのデータに基づいて必要な学び直しのための課題への取り組みを促し、質疑などの対応体制を整えるなど生徒一人ひとりの学習傾向に合わせた指導体制の早期確立を目指す。また期中の継続的な小中学校間でのデータの共有は行いつつ、具体的な連携内容については随時検討を進める。
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