日本経済新聞社は、同社が提供する「日経電子版」を活用した高校生向けの教材を開発し、試験的な提供を開始したことを、2月15日に発表した。2022年11月から募集を始め、2023年2月14日時点で応募のあった62校8300人超に配付した。3月末までに9000人に提供する予定。
同教材では、新学習指導要領の重点である「思考力・判断力・表現力」の育成を支援する。電子版のニュースで示された最新の社会課題に対して生徒自身が「問い」を設定し、議論を通じて考える力を養える。まずは国語科目でスタートし、探究学習や社会など幅広い分野に対応する教材の開発も進める。
「日経電子版」を活用した教材の概要
同社は、国語科目で「思考力・判断力・表現力」の育成を目的として「よのなかって面白い!思考力を伸ばす授業」と題した教材をARROWSと共同で開発した。すべての記事を読むことができる「日経電子版」のアカウントを生徒に配付し、最新のニュースに触れる機会を提供する。関心を持った記事を生徒自身が選び、記事中に提示された課題に対する「問い」を設定。生徒はこの問いを解決するための仮説をつくり、仮説を検証するための道筋を生徒同士で議論する方式となる。
「日経電子版」の記事の活用が同教材の特徴で、読解力の向上に加えて経済や社会など幅広い分野のニュースへの関心を高める効果が見込める。信頼性が高い記事を題材に議論を深めることで「思考力・判断力・表現力」の育成につながる。
実際の授業の例
桐蔭学園高等学校では、現代国語の授業の中で「よのなかって面白い!思考力を伸ばす授業」を実施した。2回にわたる授業を通じて、生徒は「エネルギー問題」や「音楽フェスの発展」などさまざまなテーマを自ら設定し、それぞれが導き出した仮説を持ち寄って積極的に議論した。参加した生徒からは「能動的に参加することで思考力・表現力が高まった」との声が寄せられた。
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