あらかじめ契約している・端末にインストールされているアプリ以外も必要?
平成29年(小学校)、30年(中学校)、31年(高等学校)の学習指導要領の改訂(令和5年度現在の学習指導要領)では、「個に応じた指導の充実を図るに当たりICTを活用すること」と示されています。学校(教育現場)で、ICTを活用し個に応じた指導の充実を図ることは、基礎的な学力の確実な定着に向けた方策のひとつとして有効だということです。
例えば、個々の特性に応じてカスタマイズできる学習者用デジタル教科書や、学習者向けデジタルドリル(AI型ドリル教材)を使うことで、各自のペースで理解をしながら学習を進めて、知識・技能を習得することができます。
また、教育現場に特化したICTツールを使うことで、プロジェクト型学習などでの情報収集、観察・実験、結果の記録や整理、また考察なども行うことが可能です。そのほかにも、考え(アイデア)を深める学習やマルチメディア(画像、音声、動画など)を用いて、多様な表現を取り入れた資料・作品を制作することができます。
GIGAスクール構想で配備された端末にあらかじめインストールされているアプリケーションや、自治体単位で最初から契約している学習支援サービスでも先に述べたことを実現できます。それに加えて、より教育に特化したソフトウェアやアプリケーションを導入することにより、最新の機能を使いながらを高めることができるのです。
現場の先生より「このアプリが使いたい」とお願いがあったら
教育現場でのICTサポートをしていると、実際に授業をする現場の先生からのリクエストが数多く寄せられます。
「こんなとき、こういうアプリがあったらなぁ」
「このアプリ、もう少しこんなことできないかなぁ」
児童生徒の学習効果を高めるといった視点だけではなく、校務のDX化の文脈においても前述のようなお声を頂くことが多数あります。
そういったリクエストを受けた場合、教育現場での解決フローとしては以下のような形が一般的です。
リクエスト発信者(教員)⇒ICT担当者(主任)⇒管理職と相談⇒教育委員会に判断を仰ぐ
校内のICT担当者と管理職、教育委員会だけでは判断することが難しい場面もありますので(特に新サービスなど)、文部科学省の事業である「ICT活用教育アドバイザー」や「学校ICT化サポート事業者」、各種認定教育者(Google、Microsoft、Apple、Canvaなど)と相談し、総合的な判断に基づいて端末へのインストールやアプリ利用開始に向けた手続きを進めていきます。認定教育者が周囲にいない際は、サービスを提供する企業へ問い合わせることで紹介してもらえるケースもありますし、場合によってはメールやSNSのメッセージ機能などで認定教育者に直接連絡するのもよいでしょう。
インストールに関しては端末自体の動作にも影響が出ることがあるため、判断には慎重になると思いますが、ブラウザベースで動くような「Canva(キャンバ)」「Kahoot!(カフート)」などは、すでに取得しているGoogleやMicrosoftのアカウント情報を使ってSSO(シングルサインオン)が可能ですし、何よりも導入のコストがかなり低いので、積極的に導入していただければと思っています。