なぜそのアプリが必要なのか? 導入によるメリットを整理して説明
私がCanvaと出会ったきっかけは、個人的に書いている「note」のヘッダー画像作成でした。
当時私は、自分のブログやSNSで使うヘッダー画像を手作りできるツールを探しており、その中でCanvaというWebアプリを知りました。最初は「こんなにオシャレなデザインが自分でも作れるのか?」と疑いを持ちましたが、実際に使ってみると、簡単な操作で高品質なデザインが作成できることに感動しました。
そして私はCanvaが教育現場でも使えると考え、導入に向けて動き出しました。Canvaに限らず教育現場で新しいアプリなどを導入する場合は、それによるメリットを明確に示す必要があります。そこで、長野県池田町教育委員会に以下の3つの提案を行いました。
1.縦書きができる
池田町では「Google Workspace for Education」を導入しているものの、「Googleドキュメント」では縦書きができないため、先生方が戸惑うことがありました。Canvaを利用することにより、子どもたちはChromebookで「縦書き」も「横書き」もできるようになります。
小学6年生・家庭科「持続可能な社会づくり」では、Canvaのロゴメーカーを活用し、自分たちの生きる未来への思いを言語化しました。
2.動画編集ができる
コロナ禍で参集形式の行事が行いにくかった当時、Chromebookを使った「動画撮影」は学校現場で非常に重宝されていました。Canvaを使うことで、編集も同じ端末でできることや、長野県教育委員会がキーワードとして大事にしている「共同編集」が可能なこと、さらには閲覧専用のリンクを発行できること、そして何より「動画」という児童生徒の表現ツールが生まれることは、Canvaを教育現場へ導入する大きなメリットになると考えました。
小学6年生の卒業ムービー制作では、自分たちで素材集めから編集までを行いました。一人ひとりに配付されているChromebook「だけ」で、共同編集&シェアまでできてしまうのもCanvaの特徴のひとつです。
3.素材利用の自由度が高い
無料版でも30万点、Canva for Educationであれば1億点以上の素材の利用が可能です。そして、その素材の多くが著作権フリー(Canva for Education向けの素材は商用利用不可)となっているので、外部への発信にも気軽に使えます。何よりも、プロのデザイナーの方々(国内だけではなく世界中のCanva専属デザイナーのみなさま)が作る素材ですので、クオリティの高さは抜群です。
また、国内外のデザイナーの方々が手掛けるだけあって、プライド月間や、ハロウィン、クリスマスなど、自由に使える素材の幅がとても広いということは、児童生徒にとっては大きなメリットです。
このように、導入を推進する人はアプリやサービスがもたらすメリットのほか、そもそもどのようなものなのかについても、教育委員会関係者や学校の管理職・先生に理解してもらえるよう、しっかりと説明することが重要です。
Canva for Educationを自治体単位で導入した日本初の事例である池田町においても、最初の説明に関してはかなり慎重に行いました。Canvaがもともと教育系のアプリではないことを踏まえつつ、一方で教育的効果を期待できるということを、私自身が作成した教材や実践事例を通して説明しました。導入当初は私が紹介した実践をもとに皆さん手探りで活用されていましたが、現在はSNS等を通して池田町におけるCanvaの教育実践例がたくさん取り上げられています。
#池田町#高瀬中#canvaedu
— Canva認定教育者|||清水智|||Teacher Canvassador (@DaysHakuba) March 8, 2023
みなさま、ぜひ。
こう言うポスターもサクッと作って、大型プリンターで印刷。
Canvaの強みを活かして、時短!! https://t.co/2YUWa74hal pic.twitter.com/i3Ho4WZWsp
なお、自治体や学校単位でのCanva導入を検討されている方は、Canva教育者グループ内のデータもぜひご活用ください。「Canva-for-Education(日本教育者グループ運営サイト)」内には、導入検討時に使用できる資料や動画データなどがいくつも用意されており、Canvaが教育現場でどのように使われているか、また、どのような教育効果が得られるかについて、たくさんの情報が提供されています。Canvaを教育現場で活用する際の参考になれば幸いです。