インタツアーは、2023年卒~2026年卒学生を対象に実施した、「Uターン・Iターン就活志望状況調査」の結果を10月31日に発表した。同調査は、1万3724名(文系:1万2231名、理系:1493名)の学生に対して、7月11日~18日の期間に行われている。
調査対象者に、出身地・大学について、自身に当てはまるものを選んでもらったところ、「都会出身で都会(出身地)の大学に在学している」(29.5%)がもっとも多く、「地方出身で都会の大学に在学している」(23.1%)がそれに続いた。都会出身者は44.2%、地方出身者は55.8%で地方出身者の方が多く、都会の大学に通う学生は62.9%、地方の大学に在学している学生は37.1%となっている。
就職先として、地方企業への就職を考えているかを尋ねた質問では、「地方企業への就職を第一志望としている」(14.5%)と「第一希望ではないが就職先の候補として検討している」(38.2%)を合わせた、52.7%の学生が何らかの形での地方企業への就職を考えていることがわかった。
地方企業への就職を検討している人に、出身地・大学について、自身に当てはまるものを選んでもらったところ、「Uターン、Iターンのどちらも視野に入れている」(42.0%)、「Uターンを希望している」(20.6%)といった回答が、「Iターンを希望している」(16.0%)を上回っている。出身地と大学も同じ地域の企業に就職する「地元就職」を希望している学生は21.4%だった。
Uターンまたは地元での就活を希望する学生に、その理由・魅力を尋ねた質問(複数回答)では、「住み慣れた土地で働きたい」(60.4%)が最多となり、以下「実家から通勤したい」(33.7%)、「友人が多い」(25.5%)、「子育てや介護など将来のことを考えて親の近くに住みたい」(25.0%)が続いている。
Iターンを希望する理由としては(複数回答)、「地方の住みやすさなど、暮らしに興味がある・魅力を感じる」(51.3%)、「都会にしか住んだことがないため、地方に住んでみたい」(26.9%)といった、地方での生活自体に魅力を感じるといった回答が多かった。また、「実家を出て自立したい」(48.0%)という回答も多く、うち8割超は都会出身の学生が占めている。
地方企業の面接について尋ねたところ、「オンライン、対面どちらでもよいがオンラインがいい」(48.9%)がもっとも多く、「オンライン面接なら選考を受ける」(27.9%)と合わせると76.8%がオンライン面接を希望していることがわかった。
地方企業の選考において対面での面接がある場合に、交通費の有無が選考に参加するかどうかに影響するかを尋ねた質問では、「交通費が出ないなら優先順位を下げる」(64.9%)が最多となり、「交通費が出ないなら面接は受けない」(8.1%)と合わせると73.0%が「移動交通費の支給が選考参加に影響する」と答えている。
UIターン希望学生に、出身地、大学の就学地、就職先の希望地について尋ねたところ、Uターンは首都圏の大学から地元に帰って就職するパターンが多く、Iターンは「地方から地方」よりも「都会から地方」への移動パターンが比較的多かった。2023年卒学生からは、「未定(配属先が決まらない)」といった回答もみられ、大企業の地方配属パターンが少なくないと考えられる。
Uターン就活の情報源としては(複数回答)、「SNS」(40.3%)がもっとも多く、「全国規模の就職情報サイトやセミナー」(36.4%)がそれに続いた。「大学のキャリアセンターの求人」(17.3%)を挙げる回答も多い。
Iターン就活の情報源としては(複数回答)、「全国規模の就職情報サイトやセミナー」(59.9%)が最多となり、「SNS」(55.2%)がそれに続いている。また、「広告」(26.9%)などWeb経由の情報収集を挙げる割合が高かった。
地方企業に就職する際にどういった企業を中心に考えているかを尋ねた質問(複数回答)では、「地方でも名の知られている、大手企業やその支社、グループ企業、銀行など」(69.0%)がもっとも多く、「地元の中での有名企業」(45.9%)がそれに続いている。また、「公務員」(20.2%)も多かった。
Uターン就職の場合、親や家族の意向がどの程度影響するかを尋ねたところ、「多少は気になるが、自分の意志で決める」(60.4%)が最多となり、「親の意向を聞き入れる気はない」(13.6%)と合わせた7割超が、親の関与に否定的となっている。
大企業などで設定するケースが増えている「地域限定社員」を希望するかを尋ねた質問では、「やむを得なければ地域限定職も希望する」と「希望しない」を合わせた割合は58.4%に達した。一方で、「地域限定職を希望する」「地域限定職を希望しているがその他条件の企業の選考も受ける」「やむを得なければ地域限定職も希望する」を合わせた回答も約7割となり、消極的でありながらも選択肢になり得るともいえる。
地域限定社員と総合職社員の間で設定されることの多い賃金格差が気になるかを尋ねたところ、「賃金格差が気になる」(62.6%)が多くを占めており、「どちらかといえば賃金格差が気になる」(27.9%)を合わせると9割に達する。
「最初は地域限定、慣れてきたら転勤あり」という働き方について尋ねた質問では、「転勤してもよい」(26.4%)と「どちらかといえば転勤してもよい」(20.6%)を合わせた割合が47.0%に達している。
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