子どもたちがイメージしやすい人気ゲームでプログラミング
「ぷよぷよプログラミング」は、セガの大ヒットゲーム「ぷよぷよ」シリーズのソースコードを使っており、2020年6月から提供が開始された。現在、小学校から高校までの学校や自治体のワークショップなどで活用されている。無料公開されている副教材は、京都精華大学メディア表現学部の教授で、文部科学省在籍時には高校・情報科の新学習指導要領の策定に携わった鹿野利春氏をはじめ、経済産業省や文部科学省、自治体の教育委員会などの協力を得て作成されたものだという。
「ぷよぷよ」は1991年の発売以降、簡単かつシンプルなゲーム性で、幅広いプレイヤーに支持されている王道のパズルゲームだ。セガは2018年からeスポーツにも参入しており、セガ公式大会のほか国民体育大会(国体)文化プログラム、海外交流戦などで「ぷよぷよeスポーツ」の大会を実施している。
また、エデュテイメント事業として高校生のeスポーツ部活を支援する「eスポーツ応援プロジェクト」なども行っている。今回紹介する「ぷよぷよプログラミング」も同社のエデュテイメント事業のひとつだ。
研修会で講師を務めたセガの小室祐生氏は、同社がプログラミング教材「ぷよぷよプログラミング」を開発した理由として、「本物のゲームの完成形をイメージしながら、プログラミングできることが大きい」と話す。「プログラミングは、環境設定から始まり、覚えることが多く、抵抗感のある児童生徒もいる。その点、多くの人に親しまれている『ぷよぷよ』であれば完成形がイメージしやすく、プログラミングの入り口としてはとてもやりやすい」とメリットを伝えた。
使う言語はHTMLとJavaScriptで、小学校でメインとなる「Scratch」などのビジュアルプログラミング言語からの次のステップとして使いやすいという。「ぷよぷよプログラミング」は、アシアルが開発したプログラミング学習環境「Monaca Education」上で利用する教材となっており、Webブラウザ上で動くため、端末の種類を問わず使うことができるのもメリットだ。
用意されている副教材には、教材のマニュアルや小中高の学習指導要領への対応を明記した資料、指導計画と評価基準の事例といった教員向けの資料のほか、児童生徒に印刷して配付できるプリント、授業中に利用できる動画教材などが含まれる。
「指導計画と評価基準は一例として、それぞれの学校や先生にアレンジしていただきたい。また、発展的な内容を含めて3時間を予定した簡単な指導案を作成しているので、ぜひ参考にしつつ、授業を進めていただきたい」と小室氏は説明した。
児童生徒向けの配付資料は「ぷよぷよプログラミング」について自分で考えたり解説動画を見たりして答えを書き込めるようになっているほか、感想を書いて振り返りシートとしても使用可能だ。さらに「ぷよぷよプログラミング」のマニュアルも兼ねており、この資料を各児童生徒が見ながらプログラミングを進めていくことができる。