パーソルプロセス＆テクノロジーは、全国の公立小学校教員300名と、公立小学校に通う子どもを持つ保護者300名を対象に実施した、「小学校のICT教育に関する実態・意識調査」の結果を5月31日に発表した。同調査は、4月15日～20日の期間に行われている。
調査対象者に、新型コロナウイルス感染症の流行によって、小学校におけるICT教育の普及は加速したと感じるかを尋ねたところ、教員では9割超が「加速した」と回答する一方で、保護者の4割が「進んでいない」と答えており、双方の認識に違いがあることが明らかになった。その理由としては、教員からは「ICT教育は加速した」と感じる理由としてオンライン授業が普及したことを挙げる声が多かったものの、保護者は通常授業も含めタブレット端末を活用した授業の実施など、本質的なICT教育を求めている様子がうかがえる。
保護者に対して、小学校教育においてICT教育の必要性を感じているかを尋ねた質問では、約9割が「ICT教育の必要性を感じている」と答えている。
現在ICT教育を取り入れた授業に満足しているかを尋ねたところ、「とても満足している」という回答は1割以下に留まり、「満足していない」が約半数を占めた。
教員と保護者の両方に、各家庭で小学校教育におけるICT教育のサポートは必要だと思うかを尋ねた質問では、各家庭において「ICT教育のサポートが必要」とする回答が教員・保護者ともに約9割近くに達している。
保護者に対して、小学校のICT教育において家庭で何らかのサポートをしているかを尋ねたところ、「積極的にサポートしている」という回答は1割にも達していない。
教員に対して、勤務先の小学校ではICT教育に積極的に取り組んでいるかを尋ねた質問では、9割超が「取り組んでいる」と回答した。
同じく教員に対して、ICT教育を行う際に子どもたちのよりよい学びのために意識・工夫していることがあるかを尋ねたところ、「意識・工夫していることがある」という回答は約半数となり、具体的な内容としては「年間指導計画にICTスキルの項目を設ける。情報活用能力検定等を行っている」「紙とデジタルのバランスを取ること」「共有アプリを使用し、孤立しない、させないことを意識している」といった回答が寄せられている。
同じく教員に、勤務先の小学校でICT教育を行う際の課題があるかを尋ねた質問では、「課題がある」とする回答が約9割を占めた。具体的な課題の内容としては、「対応できる教員が少ない」「教員のICT技術に差がある。いつも同じような使い方になってしまう」「教員の研修機会が少ない」といった回答が寄せられている。
同じく教員に、ICT教育をより効果的な学びにするために、教育現場への支援が必要だと感じるかを尋ねたところ、9割超が「教育現場への支援が必要」と回答した。
ICT教育をより効果的な学びにするために、「教育現場への支援が必要」と答えた人に、教育現場にどのような支援が必要だと思うかを尋ねた質問（複数回答）では、「民間IT企業、専門家からの直接的なサポート」（69.1％）がもっとも多く、以下「実践的なICT教育に関するセミナーの開催」（66.7％）、「ICT教育マニュアルの配布」（66.3％）が続いている。
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