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GIGAスクール構想から考える生徒指導

GIGAスクール構想2年目、年度当初の指導で大切なことは?

GIGAスクール構想から考える生徒指導 第7回

 GIGAスクール構想がスタートしたことで、教育はどのように変わっていくのでしょうか。筆者は教育委員会事務局の指導主事として、GIGAスクール構想におけるICT教育の推進や授業改革を担当しています。本連載では、読者の皆さまと一緒に「GIGAスクール構想×生徒指導」について考えていければと思います。第7回では「年度当初の指導」について取り上げます。

別れと出会いの季節

 桜の花がきれいに咲く季節になりました。

 「もっと咲いていてほしいなぁ」

 毎年このようなことを思います。それくらい、年度替わりの3・4月はあっという間に過ぎていきます。前回は「年度末の指導」について考えました。すると、次のような質問をいただきました。

 前回の記事を読んで、年度末の指導をしっかりと行うことができました。GIGAスクール構想2年目を迎えるにあたり、年度当初の指導で大事にしたほうがよいことは何でしょうか。

 今回は年度末に続き、年度当初の指導について、一緒に考えていきましょう。

目指すゴールを共有する

 駅のホームで、電車を待っていたときのことです。ホームの電光掲示板に、あるものが表示されていました。それは、電車の運行状況です。運行状況を見ることで「あ、1つ前の駅を出発したんだな」と安心して電車を待つことができます。

 スマホのアプリでは、ほかの電車の運行状況も確認できるようです。そのような見通しを持つことで、電車を待つときの気持ちや安心感も変わってきます。

 このように、見通しを共有することは非常に重要です。では、学校での見通しとは何でしょうか。そのひとつが「どのような子どもたちを育てていきたいか」というゴールだと思います。

 新年度だからこそ、まずは教員同士で育てたい子どもの姿を共有します。どの学校でも年度当初の職員会議や学年、教科の会議などで確認しているはずです。学校の教育目標や学校グランドデザインといった形で共有している学校も多いでしょう。しかし、毎年同じことを繰り返し、形骸化してしまっていることも考えられます。

 GIGAスクール構想が始まり、いろいろな手段でゴールを目指すことができるようになりました。例えば、神戸から東京へ向かう際には、新幹線だけでなく飛行機や車も使えます。大変ではありますが、自転車や徒歩でも可能です。自分で好きな方法を選び、ゴールに向かって進むことができます。

 しかし、目指すゴールがバラバラでは意味がありません。東京に行く人もいれば、北海道に行く人もいる、そのような状況は問題です。目指すゴールを間違えないことが重要で、それさえ決まれば、教員も子どもも自分の好きな方法で進むことができます。

 以前、拝見した小学校の例を紹介します。「自分の言葉で思いを伝えることができる子どもを育てる」というゴールを学年全体で共有していました。2人の授業者が、国語の授業で次のような活動を展開していました。

  • (1)A先生:学習支援ツールのプレゼン機能を活用して発表する
  • (2)B先生:Microsoft PowerPointを活用して発表する

 それぞれの先生が、クラスの子どもの実態に合わせて、自分の思いを伝える場面をつくっていました。もしこの場面で「必ず、学習支援ツールのプレゼン機能を使いましょう」と授業の方法を決めてしまうとどうでしょうか。子どものことを思っての判断だったとしても、それでは「こんな方法でどうだろう?」と試行錯誤する楽しさを奪ってしまうことになりかねません。

 ゴールが明確だからこそ、教員が授業について考えて、自分なりのアレンジをできる楽しさが生まれます。年度の最初だからこそ、育てたい子どもの姿(目指すゴール)を、みんなで考えて共有していきましょう。

 そして具体的なゴールとして、子どもたちにどのような力をつけたいかを考えます。GIGAスクール構想に関わる内容では、やはり「情報活用能力」が挙げられます。そもそも、情報活用能力とは何でしょうか。「【総則編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説」には、次のように書かれています。

 情報活用能力をより具体的に捉えれば,学習活動において必要に応じてコンピュータ等の情報手段を適切に用いて情報を得たり,情報を整理・比較したり,得られた情報を分かりやすく発信・伝達したり,必要に応じて保存・共有したりといったことができる力であり,さらに,このような学習活動を遂行する上で必要となる情報手段の基本的な操作の習得や,プログラミング的思考,情報モラル,情報セキュリティ,統計等に関する資質・能力等も含むものである。

 出典:文部科学省「【総則編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説」P.50-51

 情報活用能力は、言語能力や問題発見・解決能力と並ぶ、学習の基盤となる資質・能力として位置づけられています。学習の基盤ですので、特定の教科だけで育成するものではありません。それぞれの教科で、どのような授業をすれば子どもたちの力を伸ばしていけるのかを考えたいところです。

 目の前の子どもたちにどのような情報活用能力をつけたいのかを考える上では、文部科学省の「学習の基盤となる資質・能力としての情報活用能力の育成 体系表例とカリキュラム・マネジメントモデルの活用」も参考にしてください。

次のページ
ゴールに向けた現状把握

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この記事の著者

吉岡 拓也(ヨシオカ タクヤ)

 神戸市教育委員会事務局教科指導課指導主事。神戸市立高等学校での勤務を経て、現職。  モットーは「委ねる、つなげる、挑戦する」。子どもから、先生から、学ぶことを楽しむ。  神戸市立の学校園に足を運び、GIGAスクール構想における授業・学校改革を支援している。  主な著書に『GIGAスクール構想...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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