驚きの結果に……
先日、家でテレビのニュースを見ていたときのことです。あるニュースを見て、とても驚きました。次のような内容です。
スマートフォンを利用し始める時期は「中学1年生(22.1%)」がもっとも多く、次いで「高校1年生(12.6%)」「小学6年生(10.6%)」の割合が高い。進学の時期やその直前からスマートフォンを利用し始めていることがわかる。小学校の段階からスマートフォンを利用している子どももたくさんおり、保護者はスマートフォンの扱いに困っている。
出典:総務省「我が国における青少年のインターネット利用に係るフィルタリングに関する調査」(2021年)P.24
この調査結果を紹介するニュースでした。小中学生からスマートフォンを使っている子どもが増えていることは、実感していました。しかし、実際のデータで見て非常に驚きました。私が思っていたよりもたくさんの子どもが、スマートフォンを小さいころから使っていたためです。
今回のテーマは、このスマートフォンの利用とも関係があります。読者の方から、次のような質問をいただきました。
子どもたちのタイピングスキルがそれぞれ異なっており、学習効果に差が生まれています。タイピングが遅い子どものことを気にしてしまい、端末を普段から活用できていません。このような場合、子どもたちにどう指導をしていけばいいでしょうか。
多くの先生が悩まれていることと思います。タイピングスキルを含めた、子どもたちのICTスキルに関する指導について、今回は考えていきましょう。
そもそもICTスキルとは何か
ICTスキルについて、子どもたちの元々の資質や能力に大きな差があることではないはずです。いろいろな学校で授業を見学していますが、どの子どもたちも、ものすごいはやさで端末を活用できるようになっていきます。
そのような子どもたちのICTスキルに差が生まれてしまうのは、子どもたちを取り巻く環境の差が原因だと考えられます。例えば、次のようなことです。
- 自宅にいつでも使えるパソコンがあって、普段から操作する習慣があったかどうか。
- 自分のスマートフォンを持っていて、定期的に操作してきたかどうか。
子どもたちが育った環境の違いが、ICTスキルの差に直結していきます。その差を埋めていくための場が学校ではないでしょうか。端末を活用できる環境をつくることで、子どもたちのスキルを高めていきたいところです。
「ICTスキル」とひとくくりに紹介しましたが、さまざまな種類があります。例えば、PCにログインすることや、ファイルなどを保存することなど、基本的な端末操作に関するスキルもあります。その中でも今回は、子どもたちが学びに活かすことができるICTスキルについて考えてみます。具体的には次の3つです。
- 入力する(タイピングなどを使って、文字を打つ)
- 調べる(インターネットなどを使って、情報を得る)
- 判断する(いつどのツールを使えばいいか、選択する)
それぞれについて詳しく見ていきましょう。