教員のスキルアップと授業準備軽減にもつながる
Udemy Businessの導入は、教員にとっても多くのメリットをもたらした。そのひとつが、教員自身のスキルアップだ。「コロナ禍の現在は、以前のように東京まで出張してセミナーを受け、新しい知識を習得することも難しいと言えます。しかし、Udemy Businessでは教員も新しい知識を手軽に学ぶことが可能で、自己研鑽のツールとしても活用されています。出張で山口から東京へ行く場合、交通費が片道だけでも2万5000円ほどかかってしまいますが、Udemy Businessであれば同程度の料金で1年間契約することができるのです」と、河津氏はコストパフォーマンスのよさにも触れる。
さらに授業準備の負荷も軽減された。「これまで授業に合った教材を探すためには、複数のサービスをそれぞれ確認しなければならず、時間がかかっていました。現在はUdemy Business内を検索すれば、すぐに適切な動画教材を見つけられるため、肌感覚で5分の1ほどの時間短縮となりました」と河津氏は振り返る。同校では非常勤講師もUdemy Businessを活用しており、「自宅で授業準備が完結する」と好評を得ている。
なお、Udemy Businessの活用について消極的な教員に対しては、河津氏らが一緒に授業を行ってその利便性や活用の幅を見せることで「以前より楽になった」と納得してもらい、学校を挙げて新しいものに取り組めるようになっているという。
Udemy Businessで得た専門知識を地域創生に生かす
Udemy Businessを今後活用したい領域として、河津氏は「Project Based Learning(課題解決型学習、以下PBL)」を挙げる。地元山口県の学生が多く通う同校は「地域の発展に貢献する 地域の皆さんのための教育機関」を目指しており、県内の企業と連携し、企業が抱える課題を解決する授業を行っている。しかし学生にとってなじみのない業種もあり、業界知識の習得は河津氏にとって悩みのひとつだった。
そこで来年度はUdemy Businessを活用し、学生にそれぞれ自分が携わる分野の知識を学んでもらう予定だという。「PBLの授業は少人数のチームに分かれて行うため、一人ひとりが個別に学べるUdemy Businesは最適な教材と言えます」と河津氏は語る。
若い世代はテレビや書籍・雑誌からよりも、YouTubeやTikTokといった動画プラットフォームで情報を得ることが当たり前になっており、Udemy Businessのような動画教材とは親和性が高い。そこで同校では今後、YICグループが運営するほかの専門学校でもUdemy Businessの活用を広げていくことを計画している。「これまで活用してきた動画教材はIT系が中心でしたが、Udemy Businesには幅広い分野のコンテンツが用意されています。ホテル・ブライダルやペット・動物分野、看護やリハビリ、美容といった分野での活用も検討しています」と河津氏は展望を語った。
地域の課題として、山口県は全国でも高齢者の占める割合が多いことから、世代間のギャップも大きい。河津氏によると、地元の企業や商店は若い世代へのPRに悩んでおり、共に授業を行うことで学生たちの自由な発想から思いがけないアイデアが出てくることもあるという。
「地元で働く若者が減少する中、少しでも地域の可能性を広げていくような活動に、学校としても取り組んでいきたいです」と河津氏が語るように、Udemy Businessで最新の専門分野での知識を身につけた人材が育ち、地域活性化にもつながっていくことが期待される。