パーソル総合研究所と、ベネッセコーポレーションの社内シンクタンクである「ベネッセ教育総合研究所」は、立教大学中原淳教授と共同で実施した、若年社会人の学びに関する定量調査の結果を2月22日に発表した。同調査は、有期雇用を除く25~35歳の就労者2000名に対して、11月5日~8日の期間に行われている。
調査結果によれば、「はたらくことを通じて、幸せを感じている」といった7項目を「個人の主観的な幸せ」として測定し、「顧客や関係者に任された役割を果たしている」「担当した業務の責任を果たしている」などの5項目を個人のジョブ・パフォーマンスとして測定し、全体分布の中でともに高い層を「幸せな活躍層」として定義した。その結果、幸せな活躍をしている就業者は若年層全体と比較して「学びや学習に前向きにとりくんでいる」割合が1.8倍多く、57.1%を占めている。
また、社内勉強会への参加や主催、勤務時間外の研修参加といった、業務以外の学習行動も多かった。
学び方についての分析では、幸せな活躍への影響がもっとも強いのは、人を巻き込んで学ぶ「ソーシャル・ラーニング」の学びで、ソーシャル・ラーニングが高い層(平均以上)と低い層(平均未満)を比較すると、幸せな活躍をしている人の割合が4.0倍に達している。
幸せな活躍層のソーシャル・ラーニングの具体的な行動割合は、全体平均の約2倍だった。
若年層の関心・意識としては、社会課題解決への意識の強さを示す「ソーシャル・エンゲージメント」の高さが、幸せな活躍にプラスの影響を与えており、ソーシャル・エンゲージメントが高い層(平均以上)と低い層(平均未満)を比較すると、幸せな活躍をしている人の割合が4.5倍に達している。
なお、「自分の暮らしはさまざまな人のおかげで成り立っている」という感覚は46.8%と高いものの、「地球全体の問題は今の世代の行動によって解決していける」といった課題解決への効力感は3割程度と低めだった。
「今の仕事や今の会社の活動が、社会への貢献につながっている」という感覚である「ソーシャル・レリバンス」も、幸せな活躍にプラスの影響がみられ、ソーシャル・レリバンスが高い層(平均以上)と低い層(平均未満)を比較すると、幸せな活躍をしている人の割合が3.2倍多い。
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