リクルートと全国高等学校PTA連合会は、高校2年生とその保護者を対象に実施した、進路に関する考え方やコミュニケーションの実態についての調査「高校生と保護者の進路に関する意識調査2021」の結果を、2月2日に発表した。同調査は、9月14日~10月28日の期間に行われ、高校生1815名、保護者1529名から有効回答を得ている。
調査結果によれば、ICTの活用によって期待できる効果は、「1人ひとりが自分に合った方法やスピードで学習できる」が高校生(45%)、保護者(34%)ともにもっとも多く、高校生では「学ぶことへの興味がわき、学習へのモチベーションが上がる」(27%)、保護者では「多様なリソース(情報や人)にアクセスできることで、学びが深まる」(32%)がそれに続いている。
今後のICTの活用意向を尋ねた質問では、「授業」「宿題」「コミュニケーション」などに幅広い期待が寄せられる一方で、「まだ活用のイメージがついていない」といった回答もみられる(高校生、保護者ともに24%)。
現在のICTの活用状況は、高校生の75%、保護者の56%が自校で「活用している」と実感しており、ICT活用でよかった点としては、オンラインでの授業(高校生:50%、保護者:52%)や学校からの連絡(同38%、42%)、宿題などの自宅学習(同28%、27%)ができたことが挙げられた。困った点としては、高校生では「特にない」(24%)が最多で、以下「学校や教員によってICTの活用度に差がある」(23%)、「紙の教材のほうが勉強がしやすい」(22%)が続いている。保護者では「勉強しているのか、遊んでいるのかがわからない」(31%)がもっとも多かった。
高校・大学の教育改革に対しては、高校生・保護者ともにすべての項目で期待が不安を上回っており、入学者選抜に対しては、5項目中3項目で不安が期待を上回っている。高校生の25%、保護者の18%が、自身の高校が教育改革への対応を行っていると感じており、具体的に変化を感じている取り組みとしては、高校生は「先生が知識を教え込む授業から、生徒が主体的に考え、学び合う授業に変わる」(54%)、保護者は「生徒が自らテーマを設定し、調べたり解決に向けて取り組む探究学習が重視される」(65%)を挙げた。
前回行われた同様の調査と比較すると、高校生は「ICT技術を活用し、1人ひとりが最適な学習内容と進度で学べるようになる」という回答がもっとも増加しており、関心の高さがうかがえる。
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