EdTechZine(エドテックジン)

学習目的・対象者別

家庭での端末活用を進めるには?【GIGAスクール構想×生徒指導】

GIGAスクール構想から考える生徒指導 第2回

  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2021/09/27 07:00

 GIGAスクール構想がスタートしたことで、教育はどのように変わっていくのでしょうか。筆者は教育委員会事務局の指導主事として、GIGAスクール構想におけるICT教育の推進や授業改革を担当しています。本連載では、読者の皆さまと一緒に「GIGAスクール構想×生徒指導」について考えていければと思います。第2回では「家庭での活用方法」を取り上げます。

ついつい見てしまう

 「読みましたよ!」「次回も楽しみにしています!」など、第1回ではたくさんの反響やコメントを頂き、ありがとうございました。とても励みになっています。

 ちょうど、この第2回の原稿を書いているときは、オリンピックが終わってパラリンピックが始まろうとしている時期でした。もともとスポーツ観戦が好きなので、オリンピックを見てしまいました。ほかにもやることがあったのに、後回しにして……。

 ついついテレビを見てしまう。それと同じことが、GIGAスクール構想における家庭での端末活用でも起きているかもしれません。ちょうど、次のような質問を頂きました。

 家庭での端末の活用方法について、困っています。家庭にインターネット環境がない場合もあり、GIGA端末を使った宿題などを出しにくい状況です。

 今回は「GIGA端末の家庭での活用方法」について、考えてみましょう。

YouTubeは制限する? しない?

 「家庭でずっとYouTubeを見ていて困ります。制限できないのですか」。保護者の方からこのような質問を頂くことがあります。自治体(あるいは学校)によって異なると思いますが、YouTubeなどを視聴できないように制限しているところも多いのではないでしょうか。

 YouTubeを「制限する」「制限しない」には、それぞれメリットとデメリットがあると思います。私なりの考えを次のように表してみました。

YouTubeの視聴を制限する

メリット

 長時間、YouTubeを見て過ごすような子どもが減る。

デメリット

 子どもが本当に必要な情報を得たいときに、YouTubeを見て学ぶことができない。

YouTubeの視聴を制限しない

メリット

 子どもが学習に有益な動画などをいつでも視聴でき、学習に役立てることができる。

デメリット

 ずっとYouTubeを視聴したり、学習に関係ない動画を見たりする可能性がある。

 このように、制限する/しないのどちらにもメリットとデメリットがあることがわかります。どちらの選択をしても、何らかのリスクはあるでしょう。

 さらにここで考えたいのは、YouTubeの視聴を制限したとしても、子どもたちが抜け道を見つけてくる可能性がある点についてです。子どもたちは、私たちが思っている以上に端末を使いこなしています。そのため、どれほどガードをしようとも、視聴できる手段を見つけてくるでしょう。

 つまり、子どもたちの行動を100%制限することは、ほぼ不可能に近いのです。だからこそ、YouTubeを視聴できるメリット、学習効果に目を向けて、思い切って自由に使わせてみること、委ねてみることが大事だと私は考えています。

©miya227 - stock.adobe.com
©miya227 - stock.adobe.com

 そして、子どもに委ねる中で、失敗も経験してもらう。その失敗から学ぶ機会をつくることが重要ではないでしょうか(これは第1回の内容とも関わってきます)。また、学習者自身が端末利用の約束事や使い方に責任を持つ「デジタル・シティズンシップ」を学ぶ意味でも、学校という集団の中で、いろいろな経験をして失敗から学んでおくことが、大人になってから生きてくるはずです。


  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

バックナンバー(最新順)

連載:GIGAスクール構想から考える生徒指導

著者プロフィール

  • 吉岡 拓也(ヨシオカ タクヤ)

     神戸市教育委員会事務局教科指導課指導主事。神戸市立高等学校での勤務を経て、現職。  モットーは「委ねる、つなげる、挑戦する」。子どもから、先生から、学ぶことを楽しむ。  神戸市立の学校園に足を運び、GIGAスクール構想における授業・学校改革を支援している。

おすすめ記事

All contents copyright © 2017 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.0