日本財団は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングと共同で実施した、新型コロナ禍における臨時休校や学校での教育活動の制限が子どもの教育格差や非認知能力にもたらす影響に関する、アンケート調査の結果を6月29日に発表した。同調査は、小学生~高校生の子どもを持つ保護者4000名に対して、3月8日~18日の期間に行われている。
調査結果によれば、2020年5月にはいずれの世帯年収別区分でも総勉強時間が減少しており、年収800万円以上の高所得世帯では、年収400万円未満の低所得世帯と比較して、臨時休校期間の総勉強時間の減少幅が小さく、臨時休校後も学校外での勉強時間が高止まりする傾向がみられた。
臨時休校期間中は、スクリーンタイムが増加しているものの、成績の低かった子どもやひとり親世帯で、よりその傾向が強い。
2020年1月~5月の期間に、臨時休校期間が2か月以上に達した場合、「友だちと遊ぶ頻度」が低下した子どもは40%程度、「学校での生活や活動の充実」が低下した子どもは30%程度だった。また、「規則正しい起床・就寝」「勉強に対する集中」「精神的な安定」いずれも、臨時休校期間が長期に及んだ際に、顕著な低下がみられる。
小学生では、校行事が中止・縮小された場合の非認知能力・生活習慣などへの悪影響が大きく、とりわけ運動会・体育祭・球技大会や修学旅行・移動教室が中止・縮小になった場合に悪影響が大きい。一方で、中高生では学校行事が中止・縮小になった場合の非認知能力・生活習慣などに対する悪影響は小さい。
臨時休校期間に双方向形式のオンライン授業が提供された場合、全体として勉強時間の減少幅は小さく、双方向形式のオンライン授業の効果について、世帯年収別での明確な差はみられなかった。
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