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コロナ禍において、CoderDojoはどうあるべきか? 全国のチャンピオンが語り合う

DojoCon Japan 2020「コロナ禍でどう運営してる? 事例やノウハウをディスカッション」レポート

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2021/01/28 07:00

 「CoderDojo」は2011年にアイルランドで始まった、子どもたちにプログラミングを学ぶ場を提供している地域ボランティアの「Dojo=道場」だ。日本においても現在、全国各地に220以上のDojoが存在している。しかし、コロナ禍の影響はCoderDojoにも押し寄せ、やむなく活動を休止したり、オンラインでの実施に切り替えたりするDojoも少なくなかった。本稿では、2020年12月27日に開催されたCoderDojoのコミュニティが集うカンファレンスの日本版「DojoCon Japan 2020」のセッションより、コロナ禍においても工夫をしながら運営を続けた、全国のCoderDojoの取り組みを紹介する。

※本稿では2020年12月27日に開催されたイベント当時の内容を掲載しています。現在の各CoderDojoの状況は異なる場合があります。(編集部)

全国各地のCoderDojoチャンピオンが取り組みを語る

 「DojoCon Japan」は全国のCoderDojoの運営者が集まりノウハウを共有する場だ。それだけではなく、子ども向けのプログラミングワークショップやコンテストなども同時に行われている。2020年はオンラインで開催され、「YouTube Live」「Zoom」「oVice(オヴィス)」と、3つのオンラインツールを駆使して行われた。

 今回紹介するのは「コロナ禍でどう運営してる? 事例やノウハウをディスカッション」と題されたパネルディスカッションだ。愛知県(名古屋、尾張)と愛媛県(伊予)、沖縄県(名護)から4人のCoderDojoのチャンピオンが参加し、それぞれの取り組みを語り合った。

パネルディスカッションに登壇した4人のチャンピオン。モデレーターを務めた宇津義一氏(名古屋)、宇都宮真由美氏(伊予)、安藤元気氏(名護)、Katz Ueno氏(尾張)。
パネルディスカッションに登壇した4人のチャンピオン。モデレーターを務めた宇津義一氏(名古屋)、宇都宮真由美氏(伊予)、安藤元気氏(名護)、Katz Ueno氏(尾張)。

 「チャンピオン」とは、CoderDojoの運営者のことを指す。ちなみに、参加する子どもたちは「ニンジャ」、ニンジャをサポートするボランティアの参加者は「メンター」と呼ばれている。CoderDojoは民間のプログラミング教室などとは異なり、あくまで子どもたちが自学自習を行う場だ。プログラミングに興味のある子や自主的に楽しんでいる子が各地のCoderDojoに集まり、自分のやりたいことを進めていくのである。

 開催頻度や形式、内容などは、それぞれのチャンピオンに委ねられており、Dojoごとにさまざまな工夫を凝らしている。子どもの参加費は無料だが、基本的にパソコンやタブレットを持参することになっているため、Dojoによっては端末の貸し出しや、プログラミングの基本に触れる体験会なども行っている。

2020年の緊急事態宣言下でのCoderDojoは?

 最初の話題は、2020年コロナ禍でのCoderDojoの取り組みについて。2020年は4月7日に東京をはじめとした7都府県に、4月16日からは全国に緊急事態宣言が発令され、運営を断念したCoderDojoも少なくなかった。沖縄県名護市でCoderDojo名護を運営する安藤氏も、「3月に開催される予定だった地域のイベントにCoderDojoも出展する計画があったが、イベント自体が中止になってしまった」と話す。

 このような混乱が続く中、今回パネルディスカッションに参加した4つのCoderDojoは、それぞれオンラインでの開催や、現地の会場とオンラインの両方で開催するハイブリッド形式に切り替えたという。

 CoderDojo名護の安藤氏は、新型コロナウイルスの感染が拡大するにつれ、「全国のCoderDojoが素晴らしいオンラインのCoderDojoを開いているのに、わざわざオンラインでCoderDojo名護をやる必要はあるのか」と悩んだという。しかし、子どもたちから「マインクラフトで集まって遊びたい」との声が上がったことで決意し、まずはマインクラフトのサーバーを立ち上げ、みんなで集まることからオンラインの活動をスタートさせた。その過程で「意外とオンラインでできるかもしれない」と気づき、プログラミングイベント「HackforPlay Fes」を活用するといった工夫をしながら、現在もハイブリッド形式で活動を続けている。

開催形式を使い分けていったCoderDojo名護。
開催形式を使い分けていったCoderDojo名護。

 また、愛媛県のCoderDojo伊予は、2019年末から始まった新しいDojoということもあり、チャンピオンの宇都宮氏は「中止が続くと、この先も開催できなくなってしまうのでは」と、勢いが止まってしまうことを恐れていた。不安はあったものの、4月と5月は思い切ってオンラインで開催し、その結果6月の対面開催へとスムーズにつなげることができたという。

細かいルールを設けて毎回の開催を見極める

 愛知県岩倉市にあるCoderDojo尾張のKatz氏も、「4月に緊急事態宣言が発令されたときは一瞬やめることも考えたが、子どもたちがプログラミングに触れる機会を絶やしてはいけないと思い直した」といい、ツールを駆使して開催を続けた。Katz氏は映像配信に携わっていた経験があったため、オンラインでの開催へと問題なくシフトすることができたという。その後、緊急事態宣言が解除された6月以降はオンラインと現地開催のハイブリッド形式で実施している。

 その際悩んだのが、開催・中止を決定する基準だった。現在、Katz氏は感染症対策に関するルールを細かく設定し、毎回それにのっとって開催か中止の判断を行っている。


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著者プロフィール

  • 相川 いずみ(アイカワ イズミ)

     教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、プログラミング教育やICT教育、中学受験、スマートトイ、育児などの分野を中心に、取材・執筆を行っている。また、渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足し、地域の子ども達に向けたプログラミング体験教室などを開催している。一児の...

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