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録画や画面共有が活躍? 麻生建築&デザイン専門学校に聞いた、「実技」の授業でのオンライン活用

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2020/10/27 07:00

 新型コロナウイルス感染症の拡大で、教育界はどこも学びの変更を余儀なくされた。プロダクトデザインやデジタルモデルを学ぶ福岡市の麻生建築&デザイン専門学校もその1校だ。オンラインだけでは難しいデザインや設計などの「実技」の授業を、対面での授業が制限される中でどのように工夫したのか。同校では、オンラインのメリットを生かす方向に注力し、試行錯誤を重ねて、オンラインのメリットを認識したため、2021年度の選考に一部オンライン入試を導入することを決定したという。同校でオンラインを活用した授業運営をけん引する、クリエイティブデザイン学科プロダクトデザイン専攻の教務部リーダー 稲吉貴博先生に、オンライン活用の可能性についてお話をうかがった。

座学はすぐに「Teams」でのオンラインに切り替え、新しいツールの学習はどうする?

 コロナ禍を受け、麻生建築&デザイン専門学校も通常の学校運営を大きく変更した。3月の卒業式は規模を縮小し教室で行った。4月に入り政府が緊急事態宣言を出したことを受け、同校も休校。入学式は中止となった。

 4月の休校期間中、同校の稲吉先生ら教師陣は、オンラインで何ができるのかを検討した。まずは学生とのやりとりに「Microsoft Teams」(以下、Teams)の導入を決定する。同校では入学時に学生にPCを購入してもらっているので、学生たちはデバイスを持っている。それにTeamsをインストールして使ってもらうため、連絡用に開設した特設サイトでその方針を通知した。

 プロダクトデザインやデジタルモデルを履修するクリエイティブデザイン学科プロダクトデザイン専攻は2年課程。稲吉先生が担当するのは1年生15人、2年生16人の2クラス合計31人だ。2年生はすでに顔見知りの仲だが、1年生はまだ対面したこともない学生たちだ。「全員緊張していましたね。教師側も名前はわかっても顔はわからない。Teamsでのホームルームでは一人一人声を確かめました。声のトーンを聞きながら、不安を感じている学生はいないかと気を配りました」と稲吉先生は振り返る。

麻生建築&デザイン専門学校 プロダクトデザイン専攻 稲吉貴博先生
麻生建築&デザイン専門学校 プロダクトデザイン専攻 稲吉貴博先生

 オンラインでできる科目はオンラインでやろうと、色彩学、CAD利用技術者試験、ビジネスマナー、そして「Adobe Photoshop」「Adobe Illustrator」など同校が基礎ソフトと捉えるソフトウェアの“座学”を中心にスタートした。

 だが、大きな懸念があった。2年課程なので1年の終わりには就活が始まる。そのためには1年生の夏に企業のインターンシップに参加しておくことが重要だ。例年なら5~6月に夏のインターンシップの募集が始まるが、そこで求められる作品を制作するために3Dモデルを作成するデザインツール「3D CAD(キャド)」を使わなければならない。Adobe Photoshopなどは触れたことがある学生もいるが、3D CADは初めての学生がほとんど。指導なしには使いこなせない。

 「入学はしたけど、夏のインターンに申し込めないのでは残念。そう考えたときに、すでに導入していた3D CADのクラウド版を活用しようと思い立ちました」と稲吉先生は語る。


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著者プロフィール

  • 末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

    フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

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