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新渡戸文化学園でのオンライン学習の取り組み

「なぜ数学を学ぶのか?」iPadの創造性を活かし、その答えを見つける授業

新渡戸文化学園でのオンライン学習の取り組み 第5回

 2020年度からオンライン授業の環境を整え、4月の当初から授業を行ってきた、新渡戸文化小中学校・高等学校。連載の第5回では、数学の授業におけるiPadを使った創造的な学びについて、生徒たちの力を引き出す実践をお伝えします。

そもそも世の中のすべてがクリエイティビティ!?

 みなさんの職業は創造的なものでしょうか? 最近私が感じることは教師という仕事がとても創造的な職業だということです。そのことはよく生徒から学びます。

 先日中高生と話題になったのは「『解がある問い』と『解がない問い』のどちらから学びたいか」ということでした。「『解がある問い』がスッキリしてわかりやすい」という意見がありつつも、生徒の過半数は「『解がない問い」のほうが社会につながり、将来必要そう」だと言うのです。

 これからの未来は、コロナ禍においてVUCA(Volatility:変動性・不安定さ、Uncertainty:不確実性・不確定さ、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性・不明確さ、の4つの頭文字から取った言葉)の時代がさらに加速し、AIによって仕事のあり方が変わっていき、今は存在しない職業がますます増えていくでしょう。

 生徒たちはテクノロジーの発達によっていつでもそのような情報を獲得しており、GAFAのような人々の感性に響き、新たな社会実装を生み出すような企業が生き残ることを自然に学んでいて、そのことを感じながら過ごしています。であれば、教師として社会につながるような問いの解決をする授業や、創造性を高められるような授業をデザインしたいと思っています。

 日々モヤモヤしてさまざまな制約と向き合いながらも、生徒には教科書内容も効率的に楽しく習得してもらった上で、解決や創造のための授業を創っていこうと模索しています。もちろん失敗もたくさんありますが、そのことを授業で生徒と共有して、対話して、協働して創っていくその空間こそがとても有意義で創造的な時間だと感じています。

社会や自然などの学校の外とつながる学び

 前回の山本さんの記事にもある通り、新渡戸文化学園の最上位目標は「Happiness Creator(幸せを創る人の育成)」です。実際に数学の授業においても「Math Happy Project」と称してみんなが数学でハッピーになることを最上位に、数学から学べることを生かして「本質的な効率化」「創造性」「つながる力」を意識して授業に取り組んでもらっています。

 生徒たちはワクワクし、必要だと感じると、「やりたい・やってみよう」を生み、そこから学びが始まるとものすごい力を発揮します。生徒たちから生まれた「動画編集を覚えたい」「音楽をつくりたい」「海岸の美化に貢献したい」「世の中の不公平をなんとかしたい」といったことと数学がつながると、数学の成績に関係なくみんなから「数学を語りたい」が生まれてきます。

 そんな「やりたい・やってみよう」を生むためのツールにはさまざまなものがあると思いますが、今やどんな仕事をするにもテクノロジーが使われることがほとんどである現代において、例えばiPadの持つアクセシビリティや直感性は生徒の持っている力を引き出すのにとても有効であると強く感じているところです。

 さて、生徒がテクノロジーを用いて学ぶ段階の種類を表したものに「SAMRモデル」というものがあります。教科書代わりに使ったりインターネットで調べ物をしたりすることなどは「強化」と呼ばれ学習の効率化に、テンプレートから作品を作ったり自身のアイデアでコンテンツを生み出したりすることは「変革」と呼ばれ学習の創造性に活用され、社会に通じる資質・能力を引き出すことができます。そのように考えると、教育の場でiPadのようなテクノロジーは文房具のような役割と言うよりも、思考を助けたり引き出したりする役割のほうが強く「思考のエンジン」と言うことができるのではないかと思います。

SAMRモデルと効率・創造
SAMRモデルと効率・創造

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教科書内容の学習を効率化する

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この記事の著者

芥 隆司(新渡戸文化中学校・高等学校)(アクタ タカシ)

 新渡戸文化中学校・高等学校数学科教諭、ラーニングデザインチーフ。数学にICTを用いることで「効率化」「生きる力(創造性)」「つながる力」を育むことに情熱を注ぎ、数学での創作とプロジェクト学習で自走する生徒を輩出している。バスケットボール部顧問では主体性クラブを模索し、コーチ、審判、プレーヤーとして...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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