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国際的なEdTechイベント「The Bett Show 2020」の講演から感じた、日本の教育現場の課題とは?

EdTechエンジニアによる「The Bett Show 2020」レポート 第2回

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 毎年イギリスで開催される、世界最大級のEdTech国際コンベンション「The Bett Show」。本連載では、オンライン学習サービス「スタディサプリ」の開発に携わったエンジニアの方による「The Bett Show 2020」のレポートをお送りします。第2回は講演の模様や各国のパビリオンを中心に紹介します。(編集部)

 本稿はリクルートテクノロジーズのブログに掲載された内容を再編集の上、転載したものです。

ロンドンに世界から146カ国以上のEdTech企業や団体が参加

会場には多くの人が来場
会場には多くの人が来場

 「The Bett Show(以下、BETT SHOW)」は、800を超える大手企業、103のスタートアップ、146カ国3万4000人以上が参加(2019年実績)するという非常に大きなイベントです。会場となったロンドン市内のコンベンションセンター「EXCEL LONDON(エクセル展覧会センター)」には、テクノロジー企業や教育関係者とおぼしき多くの人が来場していました。

会場入り口には6月にロンドンで開催予定だった「Formula E」の展示も
会場入り口には6月にロンドンで開催予定だった「Formula E」の展示も

 「BETT SHOW」の会場は、テーマによって大きく6つに分類されています。「Learning Tech Zone」は、子どもたちに提供するデジタル教材、eラーニングのテクノロジーを中心したブースで、一方の「Teaching Tech Zone」は、評価サービス、学習管理システム、通信教育、達成度モニタリング、VLE(Virtual Learning Environment)、MLE(Managed Learning Environment)といった、先生を支援する技術・製品を中心に展示するゾーン。そして、「Equipment & Hardware Zone」は、教育用のさまざまなデバイスを展示するゾーンで、スクリーン、デジタルホワイトボード、3Dプリンターといったハードウェアが展示されていました。

 印象的だったのは、学校運営や教育マネジメントを支援するためのソリューションを「Management Solutions Zone」として独立させ展開していたことです。教育に特化した製品・サービスだけでなく、ビジネスでも使用しているデータ管理とストレージ、出席管理、訪問者管理、管理情報システム(MIS)、セキュリティとリスク管理、通信ソリューション、タレントマネジメントといったソリューションを、教育分野にどう活用していくかなどを展示していました。

 これに加えて、「Global Showcase Zone」では、世界中の政府系教育セクターや教育系の団体などが出展。19カ国が参加し、自国の教育モデルなどを海外に輸出するためのPRをしていたほか、さまざまなサービスベンダーが教育、生涯学習に関する製品・サービスを展示して商談や取引ができる「Education Show @ Bett」も活況でした。

ステージでの講演から感じた日本の教育現場の課題

 会場内のアリーナやシアターステージでは、教育現場の方々や政府関係者、EdTech企業などによる講演も行われていました。

 例えば、教師の育成や専門的な知識習得、生涯教育の支援などを行うイギリス政府出資の財団Education and Training Foundationの講演「How to Accelerate Your Digital Learning Strategy」では、IT・デジタルスキルの習得を希望する教員が、自分のトレーニング状況や弱点の発見などを把握しながらトレーニングを進めることができる無料のオンラインツール「Enhance Digital Teaching Platform」を紹介。同財団は、オックスフォード大学と連携してリーダーの育成にも力を入れており、校長は企業のCEOと同等のマネジメント能力を持てるよう、財務担当は企業のCFOと同等の役割を担えるようにトレーニングしているとのことです。

 日本の教育現場においても、教員の方々は大学を卒業してからも引き続き、教育カリキュラムの変更や教材のデジタル化、小学校ならばプログラミング教育や英語教育の必修化など、新しい学びに適応していく必要があるでしょう。しかし、日々の業務に追われ、限られた時間で新しい取り組みに対応しなければならない教員の方々にとって、自力でこうした変化に対応することは簡単なことではないはずです。教育業界全体で、さまざまな課題に対して、テクノロジーを効果的に活用していく方向にシフトする必要があるのではないでしょうか。

 イギリスが特に力を入れていると感じたのは、STEAM教育に対応できる教員のデジタルスキル向上のためにさまざまなオンラインツールが提供され、実際に役立てているという点。こうしたソリューションは、日本の教育現場でも役に立つのではないかと強く感じました。

イギリス政府出資の財団Education and Training Foundationの講演
イギリス政府出資の財団Education and Training Foundationの講演

 一方、日本でもプログラミング教育の教材などを展開するLEGO Educationも講演を実施。「Ready for the AI revolution? Why confidence in STEAM learning is key to career opportunities in the age of automation」と題し、プレジデントのEsben Staerk Jorgensen氏が登壇していました。

 そこでは、下記のように力強いメッセージが披露されているのが印象的でした。

 「昨今、世界中でロボットやAIにより、産業や仕事に大きな変化が起こる中で、これからの子どもたちの学習、スキルも変化させなければならない。産業は自動化され、ロボット工学やコンピュータサイエンスが非常な重要なスキルになってくる。LEGO Educationは、STEAM教材によるハンズオンラーニングを提供していきながら、子どもたちの将来に向けたスキル習得を支援していく」

 LEGOを楽しみながら、AIの仕組みやプログラミングのスキルを学ぶことができれば、子どもたちにとっては非常に有益だろうと感じました。

LEGO Educationの講演
LEGO Educationの講演

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修正履歴

  • 2020/09/29 17:25 記事公開時、LEGO Educationの講演の登壇者に関して、異なる方のお名前を掲載しておりました。お詫びして訂正いたします。

著者プロフィール

  • 塩澤 繁(株式会社リクルート)(シオザワ シゲル)

     外資系、日系金融機関でIT、新規事業の立ち上げを担当。2008年にリクルートへ入社。プロジェクトマネジメント、海外拠点立ち上げに従事後、新技術開拓部門に異動。これまで、ウェアラブルデバイス、エッジデバイス、ロボット、自然言語処理、AIを担当し、現在は、エドテック、リテールテック、業務効率化のAI...

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