EdTechZine(エドテックジン)

学習目的・対象者別

「The Bett Show 2020」のさまざまな展示ブースを紹介――イベントから見えてきた日本のEdTechの可能性

EdTechエンジニアによる「The Bett Show 2020」レポート 第6回

  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 毎年イギリスで開催される、世界最大級のEdTech国際コンベンション「The Bett Show」。本連載では、オンライン学習サービス「スタディサプリ」の開発に携わったエンジニアの方による「The Bett Show 2020」のレポートをお送りします。最終回となる第6回は、学校内の設備や備品のブースを紹介します。(編集部)

 本稿はリクルートテクノロジーズのブログに掲載された内容を再編集の上、転載したものです。

EdTechの時代ならではの革新的な学校設備・備品たち

 今回は、会場のブース内で気になった学校用の備品・設備などを紹介します。

Nuance Hearing

 Nuance Hearingは、教員の声や周りの生徒の発言を聞きやすくするための生徒向け指向性マイクヘッドホンシステムを展示していました。タッチ式の丸いデバイスの中には8個のマイクが内蔵されており、発話者の声や音をクリアに聞くことができます。聞きたい方向以外の音は10db程度まで下げて、ノイズを除去する仕組みです。もちろん、自分でタッチしなくても、発話者が話しながら動いている場合には声の大きな発話者の方向を追ってくれるので、オートモードでもその声を逃しません。また、2つの方向を選ぶことも可能なので、教員の声と生徒の発表の声を同時に聞きやすくするといったことにも対応しています。

 授業中に周りのおしゃべりが気になる際には、このマイクとヘッドホンを付けることによって、授業に集中しやすくなるというメリットがあります。こうした機能は、注意欠如・多動性障害(ADHD)の方の学習をサポートするデバイスとしても役に立つのではないでしょうか。

Nuance Hearingのブース
Nuance Hearingのブース

「ReaderPen」

 Scanning Pensの製品「ReaderPen」は、紙に記載された文字をスキャンして、瞬時に読み上げてくれるデバイスです。単語や文章を単純に発音するだけではなく、内蔵された辞書によって単語の意味を聞くことも可能です。また、スキャンした文字列を内蔵メモリに保存して、USB経由でパソコンに転送することもできます。小学生から大人の学習にも利用できますし、失読症の方の学習サポートにも役に立つのだそうです。

「ReaderPen」
「ReaderPen」

「Jalinga Studio」

 「Jalinga Studio」は、とても革新的な授業が配信できるリアルタイムオーバーレイの授業配信スタジオセットです。授業をする教員の目の前には透明の「黒板」が用意されており、教員はそこに文字や図形を描いたり、写真を貼り付けたり、アニメーションを呼び出したりし、それぞれのオブジェクトを好きな位置に手で動かしたり、消したりできます。映画「マイノリティ・リポート」で主人公が空中でコンピューターの操作を行っていた感覚で、プレゼンテーションができます。とても未来的なプレゼンテーションセットです。

 ただ、教員が目の前の透明な板に文字を書くと、生徒には反転された文字として見えるはずです。そこで、このJalinga Studioでは書かれた文字やオブジェクトをビデオカメラでリアルタイムに鏡面反転させて、映像として配信します。一般的にこれと同じことをしようとすると、動画撮影後に、手作業で頑張って空中にオブジェクトを挿入したり、移動させたり消したりと、相当大変な作業をしていたと思います。このスタジオを使えば、リアルタイムに自分の思うままに、空中に好きなオブジェクトを呼び出すことが可能です。

 授業を配信する教員だけではなく、YouTuberの番組制作や企業のプレゼンテーションでこのソリューションを使うと、とても斬新な印象を与えるのではないかと感じました。

「Jalinga Studio」
「Jalinga Studio」

「Giant iTab」

 「Giant iTab」は、スマホやタブレットを巨大なタブレットに接続してユーザビリティを高める製品です。タブレットのクオリティとしては4K 55インチまで用意されているそうです。学校や病院、空港、銀行の店頭に設置しているそうで、幅広い年齢層の方にも操作しやすいインターフェイスを提供できます。

「Giant iTab」
「Giant iTab」

「LapSafe」

 いわゆる充電ロッカーです。スマートフォン用の充電ロッカーは日本でも見かけますが、こちらはノートパソコン、タブレット、スマートフォンなどのさまざまなデバイスに対応しています。充電が100%になると自動で電源供給を止めてくれるため、端末を使用しない授業中に長時間入れておいても安心です。日本に先がけて欧米の学校では、学生1人に対して1台のデバイスを利用する時代になっているので、このような設備も今後は需要が高まるのではないかと思います。

「LapSafe」
「LapSafe」

PAROTEC

 こちらは、タブレット専用のUSB充電ステーションボックスです。こちらは、教員側が生徒に配布するタブレットを充電しながら収納しておくのに便利です。

PAROTECのブース
PAROTECのブース

  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 塩澤 繁(株式会社リクルート)(シオザワ シゲル)

     外資系、日系金融機関でIT、新規事業の立ち上げを担当。2008年にリクルートへ入社。プロジェクトマネジメント、海外拠点立ち上げに従事後、新技術開拓部門に異動。これまで、ウェアラブルデバイス、エッジデバイス、ロボット、自然言語処理、AIを担当し、現在は、エドテック、リテールテック、業務効率化のAI...

おすすめ記事

All contents copyright © 2017 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.0