外部モニターは、これからの時代の学習机代わりにもなる
――学習机の姿勢のお話もありましたが、1人1台が当たり前の状況になったとき、携帯性を重視するため端末の画面は小さくなり、長時間見るには厳しいといった声も上がっています。そういった点も、解消していく問題の1つでしょうか。
やはり画面が小さいスマホなどは厳しいし、将来にわたってICTを使いこなすならキーボードは必須になると思います。画面についても大きめで、できれば小型のタブレットサイズよりも、ノートパソコン以上のサイズが望ましいですね。
だから、今回使ったBenQの「GW2480T」は高さや角度を自分で調整できるから、パソコンの利用を想定した学習机の代わりになりそうです。画面が小さいタブレットでもケーブル1本でつなげられるし、あとはキーボードがあれば、簡単に理想的な環境を作れそうです。
――「机の代わりになる」という点は大事ですね。成長段階に合わせて高さを変えられる高性能な机がなくても、モニターが合わせてくれるということですね。
これから家族内でも1人1台となった際に、それぞれのパソコンデスクを用意するのも大変です。外部モニターがあれば、使いたいときに自分に合わせて高さや角度が変えられるのでとてもいいですね。姿勢も楽になるので、学習や作業に集中することができそうです。使う際のストレスをなるべく軽減したほうが、学習でも仕事でも内容の効率が上がるだろうと思います。
2画面あれば子どものパソコン使用も安心
――休校が終わってからも、ICTは家庭学習のどういった場面で活用できそうでしょうか。
前原小学校では、もともと算数の家庭学習などでデジタル教材を活用していました。自主学習に不安がある場合は、冒頭のみオンラインでフォローして、そのあとは各自家庭で学ぶといったことも可能です。
――デジタル教材を使った家庭学習において、外部モニターを使うメリットはどのようなものですか。
紙に置き換えると「ノートが2冊」ある状態、もしくは「教科書が2冊」の状態が簡単に実現します。家庭で保護者の方に勉強を見てもらう場合、小さい画面を2人でのぞき込むのは見づらいですし、子どもも集中しにくい環境です。外部モニターを使って2画面にすれば、少し離れた場所からでも子どもが今、何をやってるのか確認できるので、かなり使いやすいと思います。
よく話題になるのが、「環境がある、端末もある、子どもがICTを利用するのはいいけれど、親が見てないところで使わせたくない」といった意見です。特に、小学生の保護者の方が気にされていることが多い。でも、ずっと子どもの隣で張り付くことは子どもも嫌がるし、保護者も大変です。2画面によって安心される方も多いのではないでしょうか。
さまざまな端末と組み合わせれば、用途別に使い分けも可能
――ほかにも活用方法はありますか?
学校で使用するパソコンは、それほど高スペックが求められないケースも多いと思います。安価で必要最小限の機能が入ったマイコン「Raspberry Pi」と外部モニター、キーボードであれば家庭でもそろえやすいですし、それこそ1人1台と言わず、用途で使い分けるために2台ぐらい持っていてもいいですね。
――端末は用途別に複数台用意して、1台のモニターでさまざまなことを行うということですね。
もっと言えば、1人で2台端末を持っていると、調べ学習と双方向のZoomを同時に使いやすくなります。1台の端末でZoomをしながら調べ物をするのって結構大変なんですよね。教科書とノートがくっついているような状態ですから。大人はパソコンの操作をしつつ、スマホで調べるといったこともできますが、子どもたちはスマホを持っていないことも多いので、できれば別の環境を用意したいところです。