EdTechZine(エドテックジン)

学習目的・対象者別

1人1台端末をより良い環境で使うために必要なものとは? ICT活用先進校の先生が語る

BenQのアイケアモニター「GW2480T」「GW2780T」/モニター掛け式ライト「ScreenBar Plus」の活用【吉金佳能先生インタビュー】

  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2021/05/24 07:00

 GIGAスクール構想が着々と進み、2021年度からはほぼすべての自治体で「1人1台」の環境がスタートする運びとなった。それにより、先生だけでなく子どもたちもタブレットやノートPCなどの画面を見る時間が格段に増え、「画面と目との距離が近い」「姿勢が悪くなっている」といった問題が浮上してきた。これらを解決する1つの方法として、外部モニターを使うことがあげられる。そこで、BenQのアイケアモニター「GW2480T」「GW2780T」と、モニター掛け式ライト「ScreenBar Plus」を、ICT活用に長けた先生に使っていただいた。今回は、一斉休校時に学校全体でオンライン授業へ取り組み、1人1台のiPadを最大限活用している宝仙学園小学校の吉金佳能先生に、同校のICT活用事例から、外部モニターを使うメリットや、家庭学習での活用法までをうかがった。

宝仙学園小学校 ICT教育研究部主任/理科専科 吉金佳能先生
宝仙学園小学校 ICT教育研究部主任/理科専科 吉金佳能先生

1人1台端末を保護者が管理する宝仙学園小学校

――まず、宝仙学園小学校(以下、宝仙小)と吉金先生について教えていただけますか。

 宝仙学園小学校は、第一に仏教精神を基調とした私立小学校であること、第二に児童全員が中学受験をする進学校であること、そして近年はICT教育に力を入れていること。この3点が大きな特徴です。

 私は新卒で宝仙小に着任し、今年で15年目です。現在は理科専科の教員として勤務し、ICT教育研究部の主任も務めています。

――宝仙小のICT活用は校舎を使ったプロジェクションマッピングやオンライン文化祭など、非常に先進的な取り組みとして注目を集めています。ICT活用は、いつからスタートしたのでしょうか。

 2015年に先行研究を開始し、学校全体で取り組み始めたのは2016年で、現在6年目となります。まずは教員へiPadを導入し、そのほかに48台のiPadと12台のWindowsタブレットを、学校の共有機として用意しました。その後、毎年少しずつ共有機の台数を増やしていき、2019年には、3年生に「1人1台」セルラーモデルのiPadをご家庭の負担で購入していただきました。2020年度からはコロナ禍の影響もあり、1~2年生も「CYOD」というスタイルでiPadを導入し、全校児童が1人1台体制となりました。

――あまり聞きなれないCYODとは、どのようなものですか?

 CYODは「Choose Your Own Device」の略です。「一定の条件を満たしたiPadであれば種類は問わない」という導入方法に切り替え、各ご家庭でご用意いただいています。条件は「容量が32GB以上」で「最新のiOSが使える」という2点です。

――CYODの場合、アプリの管理も各家庭で行うのでしょうか。

 そうです。現在4年生以上が使用しているiPadに関しては、学校側がMDM(モバイルデバイス管理)で管理していますが、CYODで導入した3年生以下は、アプリもご家庭でインストールしていただきますし、フィルタリングについても各家庭で判断することになっています。ですので、端末の学校管理を行っていないという点では、全国でも珍しいケースかもしれません。

 しかし、この「家庭で保護者がインストールする」という行為は、とても大事なことだと思っています。リテラシーも問われますし、保護者が関わってこないと、ICT教育はうまくいかないと感じているからです。

 ただし、保護者にすべておまかせするのではなく、使い方や知識についてはしっかりと学校がサポートしています。具体的には、iPadの説明会を年に複数回行うほか、解説動画を作成しYouTube上に限定公開しています。今年の新1年生の保護者に向けては、入学前に2回説明会を開催しました。こうしたサポートによって、納得感を持っていただいた上でスタートを切ることができます。

学校行事もオンラインで配信!

――ICT活用の事例を、いくつかご紹介いただけますでしょうか。特にオンラインでは、文化祭から保護者会まで、今までにない新しい試みを行っている印象です。

 まず、2020年度の一斉休校時には「全教科、全児童と全教員で行う」オンライン授業を行いました。ここまで学校をあげて取り組めたのは、わが校ならではの強みだと思います。

 例えば体育では「オンラインジム」と称して、世界中のいろいろな体操を毎日行いました。他校と一緒に授業をつくるといった、オンラインならではの取り組みもありました。

 休校中には、先生や保護者、卒業生、企業の方など、さまざまなゲストスピーカーによるトークライブ「Hosen TV」を毎日配信しました。いろいろな方のお話を聞くことは、多様な価値観を知ることにもつながると思います。

 そのほか、文化祭や運動会、学校説明会、公開授業、授業参観などの学校行事も、オンラインで配信しています。また、今年のゴールデンウイーク明けの5月6日、7日は休校にして、オンライン授業を行いました。連休の谷間であるこの期間に試すことで、もしものときに備えていきたいと考えています。


関連リンク

  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

バックナンバー(最新順)

連載:家庭学習におけるICT活用の可能性

著者プロフィール

  • 相川 いずみ(アイカワ イズミ)

     教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、プログラミング教育やICT教育、中学受験、スマートトイ、育児などの分野を中心に、取材・執筆を行っている。また、渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足し、地域の子ども達に向けたプログラミング体験教室などを開催している。一児の...

  • OGURA(オグラ)

    フリーランスフォトグラファー

  • 森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

    EdTechZine編集部所属。映像系美大生、組み込み系ソフトウェアエンジニアを経て2016年10月に翔泳社へ入社。好きな色は青色全般。

おすすめ記事

All contents copyright © 2017 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.0