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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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直感的に作品をつくれる「Springin’」でプログラミング教育

図工にプログラミング教育を取り入れる良さとは? 子どもたちの「表現のスキル」を高める――「SOZO.Ed」山内佑輔先生インタビュー

直感的に作品をつくれる「Springin’」でプログラミング教育 第4回


 学校の先生や指導者の方に向けて、無料のビジュアルプログラミングアプリ「Springin’(スプリンギン)」を使ったプログラミング教育のアイデアやテーマを考える連載。第4回と第5回はSpringin'を使ったプログラミングワークショップに取り組まれている「SOZO.Ed(ソウゾウエド)」副代表 山内佑輔先生のインタビューをお届けします。プログラミング教育に関わるたくさんのヒントが見つかるはずです。聞き手はSpringin’を開発する株式会社しくみデザインの中村俊介代表です。(編集部)

はじめに

 こんにちは。中村俊介です。今回から2回に分けて山内佑輔先生へのインタビューをお届けします。山内先生は東京都にある新渡戸文化小学校で教鞭をとられる傍ら、東京を中心とした「ICT」「Creative」「Education」をキーワードに活動する先生方の研究会コミュニティ、「SOZO.Ed」の活動に副代表として携わっておられ、SOZO.Edの活動としてSpringin’を使ったワークショップなどを開催してくださっています。ワークショップの参加者は、子どもたちはもちろん、学校の先生や一般の社会人の方まで非常に幅が広く、そのワークショップのアイデアにいつも驚かされています。

 この連載の目的はSpringin’を使ったプログラミング教育の手法をみなさんにシェアすること。ですから、これまでに書いてきたような使い方の具体的な解説だけでなく、Springin’を使ってくださっている先生にお話をお伺いし、その経験や具体的なアイデアもお伝えできたらとずっと考えていました。そこで、今回対談をお願いしたのが山内先生というわけです。先生方がプログラミング教育を楽しみながら取り組めるようになるような、元気が出てくるお話をたくさん聞けたので、ぜひ最後まで読んでみてください。

山内佑輔先生(左)と私、中村俊介(右)
山内佑輔先生(左)と私、中村俊介(右)

授業では「みんなでやるから楽しい」をやろう!

中村:まずは山内先生とSpringin’の出会いを聞かせてください。

山内:中村さんと初めてお会いしたのは2018年の3月でした。僕からしくみデザインさんに連絡をとって、ワークショップへの協力をお願いしたんです。そうしたら福岡から僕の当時の勤務校まで中村さんが打ち合わせに来てくれたんですよ。ただ、そのときにお話したのはSpringin’のことじゃなかったんですよね。しくみデザインさんのつくっているAR楽器「KAGURA」についてだったんです。

中村:そうでしたね。SOZO.Edさんの「未来の先生展2019」でのワークショップでは、KAGURAのワークショップも実施していただきましたね。

「未来の先生展2019」でのワークショップの様子
「未来の先生展2019」でのワークショップの様子

山内:当時の勤務校にはiPadがなくて。学校にあったのはWindowsタブレットだったんです。なのでWindowsタブレットで何かおもしろいことができないかな、と考えていました。その中で体の動きで音楽を演奏できるKAGURAを知って、これはおもしろそうと思ったんです。そしてその打ち合わせで、中村さんがデモを見せてくれたのがSpringin’だったんです。

中村:僕には山内先生はもう長くSpringin’を使ってくださっているイメージがあるんですが、まだ2年も経っていないんですね。それなのに、もう僕らから見ても完璧なSpringin’ワークショップを実施してくださっています。なぜSpringin’に継続的に取り組んでいただけているのかを聞かせてください。

山内:これはSpringin’に限ったことではないんですが、僕は授業やワークショップで「みんなでやるから楽しい」と思えることをやろうと常に考えています。そしてそういう場の設計をしたいんです。家で個人で没入できることであれば、それをあえて学校でやる意味ってあまりないと思っています。

 そして「みんなでやるから楽しい」の「みんな」には、僕も含まれているんです。先生やファシリテーターも楽しく参加したいじゃないですか。そして先生やファシリテーターが燃えるのって、やっぱり参加者からいい反応が返ってきたときなんです。そしてSpringin’は、この参加者からの反応がすごくいい。

ファシリテーターを務める山内先生
ファシリテーターを務める山内先生

中村:具体的に聞かせてください。

山内:Springin’の導入として、しくみデザインさんは「コロコロゲーム」をつくるじゃないですか。あれがすごく好きなんです。マルくんを描いて、それに重力をかけて落としたり、マルくんが転がるようにしたりするんですけど、それを実行させたときの子どもたちの反応がすごくかわいいんですよ。あの顔を見るためにやっている感じがします。

 導入で子どもたちの「つくりたい!」に火をつけることができれば、深めるところはそれぞれが前のめりで取り組んでくれる。そして参加者同士の関わりから、アイデアはどんどん広がっていきます。だから導入部分をどうするかをすごく考えていますね。そしてこの部分が僕自身が一番燃えるところでもあります。

 そしてこの導入の部分を可能な限り短くすることにもこだわっています。初めて触る子どもたちに対しては、どうしても使い方の説明が必要になるんですね。ただそこで全部を説明するのではなく、子どもたちの関わり合いの中で、自分たちの力で消化していくような形をつくりたいと思っているんです。Springin’が好きな理由のひとつに、導入での説明部分を簡潔に終わらせられることがあります。熱量が溜まっている状況で子どもたちに手渡せるのはすごくいいですね。

次のページ
「表現のスキル」としてのプログラミング

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この記事の著者

中村 俊介(株式会社しくみデザイン 代表)(ナカムラ シュンスケ)

 株式会社しくみデザイン代表、クリエイティブ教育ラボ所長。  名古屋大学建築学科卒業後、九州芸術工科大学(現九州大学)にて博士号(芸術工学)を取得。AR楽器アプリKAGURAをはじめ、参加型サイネージや、ライブコンサートのリアルタイム映像演出等、数々の日本初を手がけており、アメリカ、スペイン、中国...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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