子どもたちの安全を考え、オンライン授業実施を決定
――今回のコロナウイルス感染拡大をうけて、どんな対応をされたのでしょうか。
安多秀司さん(以下、安多さん):4月に入り、兵庫県でも緊急事態宣言が出ると考え、オンライン授業への完全移行を考えていました。4月6日の時点で、翌日に出る見込みとなったので、6日の時点で「4月13日(月)からオンライン指導に切り替えます」と告知を行いました。
7日~12日の間、寝る間も惜しんでオンライン授業の準備を行う期間になりました。自塾は、現在完全オンライン移行にしています。中途半端に、通塾かオンラインかを選択してもらうと保護者の方が迷ったりご家庭による差を気にしてしまうであろうことも考慮し、完全オンラインという形式をとりました。
またそれと並行して、休校中の生徒たちに生活のリズムを取り戻してもらうために、学校を模した時間割で進めるオンライン授業サービス「フォレストスクール」も行っています。
――塾利用の希望アンケートをWeb上で行ったとのことですが、その経緯はどのようなものだったのでしょうか。
安多さん:「完全オンライン化します」と告知することで、受講を見合わせたいというご家庭が出てくると思っていました。また、(対面の)個別指導が受けたくて通っている生徒に対して、「全員オンライン授業を受けてください」と言うのは一方的な対応だと思いました。こちらがシステムを変えるわけですから、選択権は保護者生徒側にあるという判断です。
ですので、既に導入していた塾の業務管理アプリ「Comiru」のアンケート機能を使い、「オンライン授業を受ける・見送る」「フォレストスクールを受講する・しない」を選んでいただきました。一軒一軒電話などで聞くより、すぐに回答がわかるので、業務効率がとても良かったです。結果的に、全生徒の約9割の生徒がオンライン授業を受講することになりました。
iPadを貸し出し、生徒の受講環境も支援
――生徒にはiPadの貸し出しなどの対応を行ったのですね。実際の授業実施までにはどういった準備を行ってきたのでしょうか。講師の方にも準備が必要かと思うのですが。
安多さん:自塾は先生1人対生徒2人で、75分間1コマがベースです。ただ、講師も生徒もオンライン指導に慣れてもらうために、スタートした4月13日の週は1対1で55分間1コマという形をとりました。
その翌週から、対面と同様の1対2、75分間の通常の形に戻しています。4月13日の週は、講師には教室でオンライン授業をやってもらい、ツールの使い方等を共有しました。
iPad自体は、コロナ禍以前から、高校3年生・中学校3年生(受験生)全員に貸し出していました。「同じものを渡した方が運営は絶対楽になる!」という判断から、非受験生・講師・教室用の40台ほどを追加で購入しました。